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2004年09月25日

「洋楽は偉いのかい?」

EXODUS


J-WAVEでアメリカの歴代アルバムTOP10と言う企画をやっていたので、ソースであるRIAAを調べてみた。イーグルスの最初のベスト盤が1位なんだね。『このベスト盤には「ホテル・カリフォルニア」が入ってないんですよぉー』と大袈裟にナビゲーターさんは語ってくれたけど、その前のアルバムなんだから当たり前じゃん。立場も分るけど、現在の視点で語られるとわけわかんなくなっちゃうんだよ。ザ・ビートルズはホワイト・アルバムが一番売れて居るんだ、へえー。アメリカってアレが好きなんだなぁ、ただ真っ白なジャケットだけのレプリカでもカラフルな他のを差し置いて一番売れたらしいし。ま、此のあたりは語ると止まらないな。それにしてもザ・ビートルズが低いな。半ズボン野郎のAC/DCに負けてるよ。

で、くやしいからトータル・セールスを見てみよう。うんうん、THE BEATLES がダントツじゃん。でもスティーヴィー・ワンダーとかモータウン系のひとが抜けてるなぁ。あ、そーか70年代まではRIAAに加盟してなかったんだ。其れにあくまでもアメリカのデータですからね。全世界規模ならマイコーのスリラーだろーし、日本で一番売れた洋楽アルバムはマライア・キャリーだって言うじゃないの。しかも「デイ・ドリーム」だよ、覚えていますか?みなさん。売れればええってモンじゃないねぇ。

日刊スポーツではUtadaの全米デビューに関連して、歴代日本人アーティストのビルボード総合チャート入りデータが載っていました。「SUKIYAKI」の一位ってのが当然最高なんだけど、やっぱアレは日本語だったってのが凄いよね。「61年に日本で九ちゃん盤が出て、翌62年に英国でケニー・ボールがジャズ風にカヴァー、其れがアメリカに渡ってラジオで火が付いて、63年にキャピトルから九ちゃん盤が出た。」と言う経緯は興味深いですね。てゆーか、KODAが2001年に19位って知らなかったです。「TRUST YOUR LOVE」って曲も知らないです。「キューティーハニー」のカヴァーしか知らないですよ。売れればええってモンじゃないねぇ。

なんにせよ、ヒッキーには頑張ってほしいですよ。でもどうして日本で一ヶ月早く発売されたんでしょうね。日本人向け疑似洋楽なの?輸入盤対策?ファン・サービス?マーケティング?あたくしはどーせ買うなら折角だから米盤で買いたいけどなぁ。ま、買わないけどさ。個人的な意見だけど、あの手の音楽ならアリシア・キーズでも聴いている方がええです。餅は餅屋だべさ。

でもねアメリカでデビューするからって、坂本九を引き合いに出すのはもうやめた方がいいんじゃないかなぁ。先の記事にも「例外中の例外」とあったけれど、その後の「初めから入念な全米戦略ありき」と「SUKIYAKI」の「少なくとも当初は特に全米向けなんて視野に置いてなかった」ってのは根本的に、決定的に「志」が違うもんね。アメリカをターゲットにして作られたわけではなかったわけですよ。もちろん日本人限定って意識でもないよね、不特定多数のみんなに向けて「上を向いて歩こう」は在ったんだよなぁ。次の「CHINA NIGHTS」は充分にアメリカ向けを意識した楽曲だったのに「SUKIYAKI」には及ばなかったわけでして。商業音楽で在りますから「売れる」ことは大事です。遊びじゃないんだからね。でも考えてしまうよなぁー、KANちゃんが言う「まず楽曲ありき」って深いよ。


初出「COPY CONTROL」 (小島藺子)



posted by 栗 at 20:23| ONDO | 更新情報をチェックする