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2025年06月25日

「ポールの道」#770「THE BEATLES BLACK VOX」
#079「MULTI-TRACKS FROM SGT. PEPPER 1967」

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ビートルズが、1967年5月26日(英国パーロフォン)・同年6月2日(米国キャピトル)にリリースした、8作目のオリジナル・アルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」は、全英23週連続首位!・全米16週連続首位!と、爆発的に売れました。このアルバムから全世界共通内容となったので、それまで水増しアルバムを買わされていた米国では、特にその衝撃は強く、ビートルズの最高傑作と云われています。近年では、1966年リリースの前作アルバム「REVOLVER」や、1968年リリースで2枚組の英国では次作アルバム「THE BEATLES(ホワイト・アルバム)」や、時系列的にはラスト・アルバムとも云われる1969年リリースのアルバム「ABBEY ROAD」などの人気も高まっていて、アルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」はそれほど持ち上げる内容ではないと云う意見もあります。しかしながら、現在までつづくビートルズのリイシュー企画は、全てがアルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」を起点としています。まず、ビートルズの初めてのピクチャー・レコードは、1978年にアルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」から始まっています。ソレは、ピーター・フランプトンとビー・ジーズが主演した映画「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」に便乗したのですけれど、その全てがビートルズ・ナンバーをカヴァーしたサントラ盤は、サー・ジョージ・マーティンがプロデュースしていて、自らの最高傑作に泥を塗った、などと酷評されました。

1987年にはビートルズのアルバムが初CD化されたのですが、ソレはアルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」の出だしの歌詞が「It was 20 years ago today」である事にかけて、アルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」の20周年記念として行われています。故に、CD「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」が1987年6月1日にリリースされていて、他のアルバムは普通のプラケース入りだったのに、アルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」だけはプラケースが紙のケースに包まれていて、解説のブックレットやオマケも付いた豪華版でした。他のアルバムは、アルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」の20周年に合わせて、全てが1987年に初CD化されたのです。1995年から1996年にかけての「ANTHOLOGY」プロジェクトも、特に映像版に関しては、1992年にアルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」の25周年記念として制作された映像作品である「THE MAKING OF SGT. PEPPER」が起点となっています。1999年には、初めてサー・ジョージ・マーティン以外の人物(ピーター・コビン)がビートルズをリミックスして、アルバム「YELLOW SUBMARINE SONGTRACK」がリリースされています。内容は、アニメ映画「YELLOW SUBMARINE」に使われているビートルズの楽曲を、大胆にリミックスした音源集でした。

アルバム「YELLOW SUBMARINE SONGTRACK」の内容は、1「YELLOW SUBMARINE」、2「HEY BULLDOG」、3「ELEANOR RIGBY」、4「LOVE YOU TO」、5「ALL TOGETHER NOW」、6「LUCY IN THE SKY WITH DIAMONDS」、7「THINK FOR YOURSELF」、8「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」、9「WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS」、10「BABY YOU'RE A RICH MAN」、11「ONLY A NORTHERN SONG」、12「ALL YOU NEED IS LOVE」、13「WHEN I'M SIXTY-FOUR」、14「NOWHERE MAN」、15「IT'S ALL TOO MUCH」の、全15曲入りで、アニメ映画に使われた楽曲なのですけれど、何故か「A DAY IN THE LIFE」が選曲から漏れていました。アルバム「RUBBER SOUL」から2曲(「THINK FOR YOURSELF」、「NOWHERE MAN」)、アルバム「REVOLVER」から3曲(「YELLOW SUBMARINE」、「ELEANOR RIGBY」、「LOVE YOU TO」)、英国ではアルバム未収録シングルから1曲(「BABY YOU'RE A RICH MAN」)、サントラ盤「YELLOW SUBMARINE」から重複する「YELLOW SUBMARINE」を抜けば5曲(「HEY BULLDOG」、「ALL TOGETHER NOW」、「ONLY A NORTHERN SONG」、「ALL YOU NEED IS LOVE」、「IT'S ALL TOO MUCH」)、そしてアルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」から4曲(「LUCY IN THE SKY WITH DIAMONDS」、「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」、「WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS」、「WHEN I'M SIXTY-FOUR」)です。

メインであるサントラ盤「YELLOW SUBMARINE」からの6曲を除けば、アルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」からの4曲が最も多く選曲されていますし、未収録ながらアニメ映画には「A DAY IN THE LIFE」も使われています。このリミックス盤「YELLOW SUBMARINE SONGTRACK」は、2003年のリミックス盤「LET IT BE... NAKED」と共に不評で、2009年9月9日にはビートルズのアルバムがステレオ・ミックスとモノラル・ミックスでリマスターされて、一件落着となったのです。ところが、2015年にベスト・アルバム「1」と「1+」がCDとDVDとBDでリリースされて、そこでサー・ジョージ・マーティンに代わって息子で後継者であるジャイルズ・マーティンと、エンジニアのサム・オケルによるリミックスが開始されました。そして、50周年記念として2017年に箱「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」がリリースされたのです。ソレが現在まで継続している「ビートルズのリミックス・アルバム」の出発点でした。この様に公式盤では周年記念盤をリリースしているわけですけれど、その隙を突いて、ブートレグ業者も更に踏み込んだ音源集をリリースしています。後に取り上げますが、例えば公式盤の箱「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」は、4CD+1DVD+1BDだったのですけれど、同じ2017年には6CDのブートレグがリリースされています。今回取り上げるのは、2007年に「misterclaudel」からリリースされたCD2枚組のアルバム「MULTI-TRACKS FROM SGT. PEPPER 1967」です。

2007年リリースなので、勝手に「40周年記念盤」などと謳っておりますが、正真正銘のブートレグでございます。内容は、CD1が、1「A DAY IN THE LIFE」、2「WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS」、3「SHE'S LEAVING HOME」、4「WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS」、5「A DAY IN THE LIFE」、6〜7「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」、8〜9「A DAY IN THE LIFE」、10〜11「SHE'S LEAVING HOME」、12〜14「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」、15〜16「WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS」、17「A DAY IN THE LIFE」、18「WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS」の、全18トラック入りです。1「A DAY IN THE LIFE」から、7「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」までは、モノラル・ソースからのなんちゃってリミックスで、8「A DAY IN THE LIFE」から、16「WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS」までは、ステレオ・ソースからのなんちゃってリミックスで、17「A DAY IN THE LIFE」と、18「WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS」は、ステレオなんちゃってリミックスです。2007年と云うと、まだゲーム「ROCKBAND」もなくて、アウトテイクの元ネタとしては「THE MAKING OF SGT. PEPPER」と「ANTHOLOGY」位しかなかったので、涙ぐましい編集で「マルチトラック」風にリミックスしています。

CD2は、1〜4「WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS」、5「SHE'S LEAVING HOME」、6「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」、7「WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS」、8「SHE'S LEAVING HOME」、9「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」、10「A DAY IN THE LIFE」、11「WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS」、12「SHE'S LEAVING HOME」、13「WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS」、14〜15「A DAY IN THE LIFE」、16「WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS」、17「A DAY IN THE LIFE」の、全17トラック入りで、合計35トラック入りです。CD2は、全てがステレオなんちゃってリミックスなのですけれど、コレは何なのかと申しますとですね、4チャンネルでのレコーディングだった楽曲を、ヴォーカルだけとか、コーラスだけとか、演奏だけとかに、なんちゃってリミックスして前面に出しているんですよ。全35トラック入りですが、収録されているのは「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」と「WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS」と「SHE'S LEAVING HOME」と「A DAY IN THE LIFE」の4曲だけです。ソレがですね、繰り返し、なんちゃってリミックスされて登場するわけで、こんなモンはとても初心者のファンの方々にはオススメ出来ません。元々、ポールが後でオーバーダビングしたベースが目立つのに、更にリード・ベースみたいに前面に出ていたり、リンゴが歌う「WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS」が繰り返し歌われるところなんて、聴いているのは、ちょっとした苦行です。

(小島イコ)

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2025年06月24日

「ポールの道」#769「THE BEATLES BLACK VOX」
#078「PEPPERLAND」

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ビートルズは、1966年8月29日のキャンドル・スティック・パークでのサンフランシスコ公演を最後に、ライヴ活動を辞めました。4人はそれぞれ別行動をして、ジョン・レノンは映画に出演して、ポール・マッカートニーは映画音楽の作曲をして、ジョージ・ハリスンはインドでシタールの修行に励み、リンゴ・スターは家族と休暇を満喫しています。再び4人がレコーディングを開始したのは、1966年11月24日で、ジョンが主導で書いた「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」からでした。次作アルバムは少年時代を回顧する内容のトータル・アルバムと定められていて、ポールは逆に未来を歌った「WHEN I'M SIXTY-FOUR」を蔵出しして、ジョンの「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」に対抗して「PENNY LANE」を書き、そこでジョンが中間部がない「A DAY IN THE LIFE」を書いて、中間部にはポールの別の曲を差し込みました。ジョンはその後も息子のジュリアンが描いた絵を元にした「LUCY IN THE SKY WITH DIAMONDS」や、サーカスのポスターから詩を丸ごとパクった「BEING FOR THE BENEFIT OF MR. KITE!」や、テレビCMから発展させた「GOOD MORNING GOOD MORNING」を書いているので、ジョンとしては「少年時代を回顧する」と云うコンセプトはつづいていたのでしょう。しかし、レコード会社の要請で「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」と「PENNY LANE」と云う強力な2曲が先行シングルとして1967年2月17日にパーロフォンからリリースされる事となり、当初のコンセプトは根底から覆されたのです。そんな時に、ポールが主導で書いた「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」が登場して、アルバムのコンセプトが「架空のバンドによる架空のライヴ・ショー」へと変更されました。

アルバムのレコーディング・セッションは1967年4月4日までつづき、スタジオに籠って表立った活動をしなかったので、バカなマスコミは「ビートルズは終わった」と書いたのですけれど、ソレを知ったポールは「今に見ていろ」と云ったそうです。ポール以外のジョンとジョージとリンゴの3人は、アルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」を高く評価はしていないのですけれど、ソレはこのアルバムが余りにもポールの意向を優先していて、プロデューサーのサー・ジョージ・マーティンとエンジニアのジェフ・エメリックもソレに協力しているからでしょう。このアルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」から、全世界共通でオリジナル・アルバムと同じ内容とする契約を交わしたので、特に、スカスカな「RUBBER SOUL」から、無茶苦茶な「YESTERDAY AND TODAY」を経て、スカスカな「REVOLVER」につづいて、いきなり本物の「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」を聴いた米国のファンは驚いたでしょう。このアルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」が、特に米国で高く支持されているのは、それまで水増しアルバムで騙されていた米国のファンが受けた衝撃の強さゆえだと思います。アルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」は、1967年5月26日に英国パーロフォンからモノラルとステレオで、同1967年6月2日に米国キャピトルからモノラルとステレオで、同1967年7月5日に日本オデオンからステレオで、それぞれリリースされています。ジャケットも全13曲の内容も同じですけれど、米国キャピトル盤には最後の意味不明なお喋りが入っていません。さて、そんなアルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」関連のパイレート盤やブートレグは数多くリリースされているので、しばらくはそれらを紹介してゆきます。

今回は「SECRET TRAX」からのCD2枚組アルバム「PEPPERLAND」を紹介します。内容は、CD1が、1「JOHN INTRO SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」、2「WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS」、3〜5「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」、6〜8「LUCY IN THE SKY WITH DIAMONDS」、9「FIXING A HOLE」、10〜14「BEING FOR THE BENEFIT OF MR. KITE!」、15〜19「A DAY IN THE LIFE」、20「WHEN I'M SIXTY-FOUR」、21「SHE'S LEAVING HOME」、22「INTERVIEW」、23〜24「WITHIN YOU WITHOUT YOU」、25「LOVELY RITA」、26「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND(REPRISE)」、27「GETTING BETTER」、28〜32「GOOD MORNING GOOD MORNING」、33「ONLY A NORTHERN SONG」、34「MAGICAL MYSTERY TOUR」、35「ACROSS THE UNIVERSE」、36「SHE'S WALKIN’ PAST MY DOOR」、37「YOU KNOW MY NAME(LOOK UP THE NUMBER)」、38〜39「ALL YOU NEED IS LOVE」の、全39トラック入りです。このCD1は、アルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」関連のレコーディング・セッションを収録していて、古いブートレグなので、現在に比べるとまだまだ発掘音源が少なかったのですけれど、BBCラジオ番組の音源なども加えて、当時としてはあるだけ収録しています。1996年の公式盤「ANTHOLOGY 2」に収録された音源も入っているので、それ以降にリリースされたアルバムです。アルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」のリリース前に、すぐさまレコーディングした「MAGICAL MYSTERY TOUR」や、1967年当時のジョンによるデモ音源なども入っています。

CD2は、1「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」、2「WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS」、3「LUCY IN THE SKY WITH DIAMONDS」、4「GETTING BETTER」、5「FIXING A HOLE」、6「SHE'S LEAVING HOME」、7「BEING FOR THE BENEFIT OF MR. KITE!」、8「WITHIN YOU WITHOUT YOU」、9「WHEN I'M SIXTY-FOUR」、10「LOVELY RITA」、11「GOOD MORNING GOOD MORNING」、12「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND(REPRISE)」、13「A DAY IN THE LIFE」、14「EDIT FOR LP END」、15「ONLY A NORTHERN SONG」、16「BABY YOU'RE A RICH MAN」、17「ALL TOGETHER NOW」、18「IT'S ALL TOO MUCH」、19〜20「ALL YOU NEED IS LOVE」、21「A DAY IN THE LIFE」の、全21トラック入りで、合計60トラック入りです。1〜13と14は、英国オリジナル・モノラル・ミックスです。このアルバムは、1987年の初CD化の際にステレオ・ミックスで全世界統一規格化されたので、モノラル・ミックスはレア音源化していました。現在では、2009年の箱「THE BEATLES IN MONO」や、2017年の箱「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」に収録されているので、公式盤CDで聴けます。それらが公式盤でリリースされる前には、単純明快にアルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」のモノラル盤をストレート・リイシューしたパイレート盤CDも出ていて、あたくしはソレも持っていますけれど、ジャケットが違っているので、ジャケ買いしました。14「EDIT FOR LP END」は、最後の意味不明なお喋りです。

15「ONLY A NORTHERN SONG」はジョージの曲で、1969年のサントラ盤「YELLOW SUBMARINE」に収録されたのですけれど、元々はアルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」のセッション音源で、まあ、要するにボツ曲だったわけですなあ。16「BABY YOU'RE A RICH MAN」は1967年のシングル「ALL YOU NEED IS LOVE」のB面でリリースされた曲ですが、元々はアニメ映画「YELLOW SUBMARINE」用にレコーディングしていて、出来が悪いからアニメに回す予定が先にシングルB面になったのです。本物のレノン=マッカートニー合作曲なので、個人的には好きな曲なんですけどね。17「ALL TOGETHER NOW」もアニメ映画「YELLOW SUBMARINE」に回された出来が悪いと判断された曲で、サントラ盤に収録されましたが、1967年のレコーディング曲です。18「IT'S ALL TOO MUCH」もアニメ映画に回されたジョージの曲で、サントラ盤に収録されたのですけれど、サントラ盤「YELLOW SUBMARINE」にはビートルズの新曲が4曲しか収録されておらず、半数の2曲がジョージの曲なのです。当時のビートルズ内でのジョージの立場が表れた様な話ですけれど、ズバリ云って「IT'S ALL TOO MUCH」は名曲です。19〜20「ALL YOU NEED IS LOVE」も含めて、ここまでは全てモノラル・ミックスが収録されています。最後の21「A DAY IN THE LIFE」は、ステレオ・ミキシング・セッション音源です。アルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」と、アルバム「THE BEATLES(ホワイト・アルバム)」は、特にステレオ・ミックスとモノラル・ミックスに違いがあるので、こうしたモノラル・ミックスのパイレート盤CDが充分に商売になったのです。

(小島イコ)

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2025年06月23日

「ポールの道」#768「THE BEATLES BLACK VOX」
#077「STRAWBERRY FIELDS FOREVER // NOTHING IS REAL」

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ビートルズがライヴ活動を辞めて、最初にレコーディングした楽曲が「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」です。1973年にリリースされたオールタイム・ベスト・アルバム「THE BEATLES 1967-1970(青盤)」でも、A面1曲目は「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」となっていて、カップリングされた「PENNY LANE」との両A面シングルは、ロック史上最強シングルと称されています。ところが、当時の全英チャートでは、その最強シングルである「STRAWBERRY FIELDS FOREVER / PENNY LANE」が2位止まりで、その時の首位!はエンゲルベルト・フンパーディンクの「RELEASE ME」でした。サー・ジョージ・マーティンは、両A面にして人気が分散して首位!を逃したと考えていて、普通に「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」をA面にして、B面には「WHEN I'M SIXTY-FOUR」を入れれば良かったと後悔していた様です。しかしながら、米国では「PENNY LANE」が首位!になっていて、「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」は8位でした。誰もが一聴して爽やかで少し猥褻な曲だと理解するポール・マッカートニーが主導で書いた「PENNY LANE」と比べると、ジョン・レノンが主導で書いた「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」は難解で、直ぐに好きになる様な楽曲ではありません。が、しかし、一度好きになると抜け出せない様な魔力が「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」にはありますし、近年のビートルズの楽曲人気投票企画では「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」が堂々の首位!を獲得しています。

魔曲「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」は、ジョンの要望で、サー・ジョージ・マーティンが異なる2テイクをひとつに繋いで完成させているのは有名な話で、それ故にブートレグ業界でも格好のネタです。前回に紹介したアルバム「STRAWBERRY LANE」の様に、CD2枚組が全てシングル「STRAWBERRY FIELDS FOREVER / PENNY LANE」の2曲のみで構成されたブートレグまでありますし、そのアルバム「STRAWBERRY LANE」でも、圧倒的に「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」のテイクの方が多く収録されています。それで、今回は2022年に「RETROSPECTIVE COLLECTION」からリリースされた1CDのアルバム「STRAWBERRY FIELDS FOREVER // NOTHING IS REAL」を紹介します。このブートレグは、2022年に出ていますが、元々は1990年頃にリリースされたブートレグ「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」と「NOTHING IS REAL」をリマスターして「2in1」で復刻したアルバムです。今や、ブートレグまでリマスターされてリイシューされているわけで、ソレはニーズがあるからやらかしているので、全くもってビートルズは商売になりますなあ。内容は、1「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」、2「THE BUS」、3「THE INNER LIGHT」、4「THE FOOL ON THE HILL」、5「ALL YOU NEED IS LOVE」、6「BY GEORGE! IT'S THE DAVID FROST SHOW」、7「HEY JUDE」、8「I AM THE WARLUS」、9「THANK YOU GURU DAI / HAPPY BIRTHDAY」、10「YER BLUES」、11「WHAT'S THE NEW MARY JANE」、12「PEACE OF MIND」、13「IT'S ALL TOO MUCH」、14「THE BARBER OF SEVILLE」と、ここまでの14曲が、ブートレグ「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」です。

つづいて、15〜21「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」、22「HEY JUDE」、23「REVOLUTION」、24「CHRISTMAS TIME(IS HERE AGAIN)」の10曲が、ブートレグ「NOTHING IS REAL」です。全体的には、1967年から1968年にかけてリリースされた楽曲の別テイクを並べていて、現在の感覚だと滅茶苦茶な選曲にも感じられるのですけれど、ブートレグの世界でも年々その辺の構成は年代順にまとめる様になってきていて、昔のブートレグはただアウトテイクを並べただけのモノも多くて、この2作はまだまとまっている方でした。1「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」は完成形の前半にあたる「take 7」で、2「THE BUS」はテレビ映画「MAGICAL MYSTERY TOUR」のサントラ音源で、3「THE INNER LIGHT」はステレオ・ミックスで、4「THE FOOL ON THE HILL」はポールによるデモ音源で、5「ALL YOU NEED IS LOVE」は全世界衛星中継されたテレビ番組「OUR WORLD」でのヴァージョンで、6〜7「HEY JUDE」はテレビ番組「デービッド・フロスト・ショー」でのヴァージョンで、8「I AM THE WARLUS」はベーシック・トラックで、9「THANK YOU GURU DAI / HAPPY BIRTHDAY」はインドでの即興演奏で、10「YER BLUES」はテレビ番組「ROCK AND ROLL CIRCUS」でのジョンとミック・ジャガーによる曲紹介で、11「WHAT'S THE NEW MARY JANE」は「take 4」で、12「PEACE OF MIND」はビートルズの演奏ではないのですけれどブートレグでは定番曲のひとつで、13「IT'S ALL TOO MUCH」はアニメ映画「YELLOW SUBMARINE」のサントラ音源で、14「THE BARBER OF SEVILLE」は映画「HELP!」のサントラ音源です。

15〜21「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」は、「take 1」から「take 6」までが順番に収録されていて、完成形の前半になる「take 7」への道のりが分かる様になっています。この後半のブートレグ「NOTHING IS REAL」は、タイトルが「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」の歌詞から取っているので、この6テイク+1テイク(「take 1」のオーバーダビング)がメインとなっています。22「HEY JUDE」はリハーサル音源で、23「REVOLUTION」はプロモーション・フィルム音源で、最後の「CHRISTMAS TIME(IS HERE AGAIN)」は1967年のクリスマス・レコードで何度も歌われているポール主導で書いた4人の合作オリジナル・クリスマス・ソングの全長版です。個人的には、こうした少し怪しいところもある昔のブートレグも好きで、特に「PEACE OF MIND」の様なインチキ音源を、「Not The Beatles」と注釈付きで、わざわざリマスターして収録しているところに好感が持てます。こうしたインチキ音源は他にもあって、中には本当にジョンが書いて歌っていると誤解したヨーコさんが著作権申請してしまった曲まであります。このブートレグ「STRAWBERRY FIELDS FOREVER // NOTHING IS REAL」の元となった2作のブートレグが出た当時は、まだまだビートルズのアウトテイク発掘音源は現在よりもずっと少なくて、こうして映画のサントラ音源やプロモーション・フィルムやテレビ出演時の演奏などもかき集めて、何とかカタチにしようとしていたブートレグ業者の涙ぐましい努力が感じられます。それをリマスターしてリイシューしちゃうんですから、屈折したブートレグ業者の執念にも驚かされます。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする

「雲霧仁左衛門4」第七回(最終回)(再)で内山理名ちゃん

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時代劇専門チャンネル 4:00〜5:00

第七回(最終回)「最期の掟」

内山理名 AS 七化けのお千代

「雲霧仁左衛門4」第七回(最終回)の、今年4回目の再放送です。最終回ですので、クライマックスは雲霧仁左衛門と安部式部の一騎打ちとなります。立場的には安部式部が正義で実際に黒幕たちも成敗するのですが、最後になって理名ちゃんが演じるお千代姐さんを人質にとる非道な手口を使うので、またしてもどっちが悪者なのか分からなくなります。そこでお千代姐さんは雲霧仁左衛門を助ける為に、あっと驚く自害をしてしまいます。しかしながらヒロインであるお千代姐さんが死んでしまったら、流石にオリジナル脚本とは云え先に続きません。相打ちで先に立ち上がった雲霧仁左衛門と共にお千代姐さんは船に揺られて、自害はフェイクだったと明かされるのでした。

本放送:2018年10月19日(NHK BSプレミアム)

(姫川未亜)

posted by 栗 at 05:00| RINA | 更新情報をチェックする

2025年06月22日

「ポールの道」#767「THE BEATLES BLACK VOX」
#076「STRAWBERRY LANE」

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ビートルズは、1966年8月29日のキャンドル・スティック・パークでのサンフランシスコ公演を最後に、ライヴ活動を辞めました。そして、再び観衆の前でライヴを行うのは、1969年1月30日の「ルーフ・トップ・レコーディング」となります。しかしながら、その「ルーフ・トップ」は、確かにライヴではありましたけれど、ゲリラ的にアップル・ビルの屋上で行ったライヴ・レコーディングだったので、同じ曲を何度も演奏していたりもします。つまり、ライヴ・バンドとしてのビートルズは、1966年8月29日で終わったのです。それでビートルズはどうしたのかと云うと、ジョン・レノンは髪を切ってリチャード・レスター監督の映画「HOW I WON THE WAR」に兵士役で単独出演して、ポール・マッカートニーは単独名義で映画「FAMILY WAY」に楽曲を提供してサー・ジョージ・マーティンのアレンジでサントラ盤を因縁があるデッカからリリースして、ジョージ・ハリスンは単独でインドへ行きラヴィ・シャンカールから本格的にシタールを学び、リンゴ・スターは家族との団らんを楽しんで映画撮影中のジョンを訪問したりしていました。4人がバラバラな行動をしていたので、マスコミは「ビートルズ解散か?」と書き立てて、当のジョージ・ハリスンすら「ライヴ活動を辞めたので、ビートルズは解散すると思っていた」と発言しています。バラバラになっていたビートルズは、1966年の年末にクリスマス商戦用にリリースする新作アルバムを制作する事が出来ず、現役時代で唯一のベスト・アルバム「A COLLECTION OF BEATLES OLDIES」を英国パーロフォンからリリースしてお茶を濁しています。

ベスト・アルバム「A COLLECTION OF BEATLES OLDIES」の内容は、A面が、1「SHE LOVES YOU」、2「FROM ME TO YOU」、3「WE CAN WORK IT OUT」、4「HELP!」、5「MICHELLE」、6「YESTERDAY」、7「I FEEL FINE」、8「YELLOW SUBMARINE」で、B面が、1「CAN'T BUY ME LOVE」、2「BAD BOY」、3「DAY TRIPPER」、4「A HARD DAY'S NIGHT」、5「TICKET TO RIDE」、6「PAPERBACK WRITER」、7「ELEANOR RIGBY」、8「I WANT TO HOLD YOUR HAND」の、全16曲入りでした。ほとんどがヒット・シングル曲で固めた内容で、英国ではシングルのみでアルバムには未収録だった7曲(「SHE LOVES YOU」、「FROM ME TO YOU」、「WE CAN WORK IT OUT」、「I FEEL FINE」、「DAY TRIPPER」、「PAPERBACK WRITER」、「I WANT TO HOLD YOUR HAND」)の初ステレオ・ミックス(「SHE LOVES YOU」は疑似ステレオ)と、英国では未発表だった「BAD BOY」を加えた全16曲中半数の8曲が収録されています。しかし、何でもアルバムに収録していた米国キャピトルでは「BAD BOY」すら先出しさせていたので、このアルバム「A COLLECTION OF BEATLES OLDIES」はリリースされていません。こうしてベスト・アルバムが登場した事もあって、いよいよ「ビートルズは解散する」と疑われる様になりました。ところが、ビートルズは解散するどころか、レコーディングに特化した新たなバンドとして生まれ変わるのです。その口火を切ったのが、1967年2月17日に英国パーロフォンからリリースされた、ロック史上最強の両A面シングル「STRAWBERRY FIELDS FOREVER / PENNY LANE」です。

元々、ビートルズはアルバム「REVOLVER」につづく8作目のアルバムを、メンバーそれぞれの少年時代を回顧した内容にする予定でした。そこで、ジョンが書いたのが「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」で、ポールは逆説的に「WHEN I'M SIXTY-FOUR」を引っ張り出し、ジョンに対抗して「PENNY LANE」を書きました。更に、ジョンは「A DAY IN THE LIFE」となる楽曲の中間部がない状態の曲を書いて、ポールの書いた別の曲が中間部に入りました。その段階でアルバムの方向性は見えてきたのですけれど、EMIパーロフォンはしばらく新曲のリリースがなかったビートルズがレコーディングをやっていると知ったので、シングルを要請して、アルバムから先出しするカタチで、両A面シングル「STRAWBERRY FIELDS FOREVER / PENNY LANE」をリリースする事になってしまったのです。アルバムの核となる2曲が先出しになったところで、ポールが「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」を書いて、アルバムのコンセプトも架空のバンド「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」による架空のライヴと、方向転換する事となりました。おそらく、その時点でジョンは投げやりになったと思われ、アルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」は、ポール・マッカートニーとサー・ジョージ・マーティンとジェフ・エメリックによるアルバムへと向かっていったのでしょう。2025年の現在でも史上最強のシングルと称されるシングル「STRAWBERRY FIELDS FOREVER / PENNY LANE」は、その制作過程も特殊でした。

そんなシングル「STRAWBERRY FIELDS FOREVER / PENNY LANE」に特化したブートレグもリリースされていて、今回は「SECRET TRAX」からのCD2枚組のアルバム「STRAWBERRY LANE」を紹介いたします。お馴染みのレコーディング・セッションを隈なく収録するシリーズの1作ですけれど、内容は、CD1が、1〜39「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」、40「PENNY LANE」、41(シークレット・トラック)「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」の全41トラック入りで、CD2が、1〜2「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」、3〜7「PENNY LANE」、8〜12「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」、13〜16「PENNY LANE」、17〜19「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」、20「PENNY LANE」、21〜22「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」、23「PENNY LANE」、24(シークレット・トラック)「RELEASE ME」の、全24トラック入りで、合計65トラック入りです。つまり、全てが「STRAWBERRY FIELDS FOREVER / PENNY LANE」の2曲だけのCD2枚組のアルバムなのです。特に「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」は、異なる2テイクを繋いで1曲にしているので、その特異なレコーディング過程の全貌が聴けます。CD1の1〜25「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」は、ジョンによるデモ音源で、ジョンは推敲をして曲を書く人なので、楽曲が変化してゆく様子が分かって面白いのです。コレがポールだと、一筆書きで書いてしまうので、最初から完成形が出来ています。

26〜39、41は「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」のレコーディング・セッションで、最初のバンド・アレンジのテイクと、管弦楽をバックにしたリメイクが両方共に聴けます。最終的には、この異なる2テイクをひとつにして完成させているのですけれど、サー・ジョージ・マーティンがジョンの要望に「テンポもキーも違うのだから、そんな事は無理だ」と云ったら、ジョンは「キミなら出来るさ」と返して実現したのです。40「PENNY LANE」は、オーバーダビング・セッションです。CD2の1〜2「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」は、完成形の前の別テイク(「take 7」と「take 26」)が別々にミックスされています。3〜7「PENNY LANE」も、初期のミックスです。8〜12「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」は、様々な別ミックスを聴く事が出来ます。13〜16「PENNY LANE」も、別ミックス集です。17〜19「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」と、20「PENNY LANE」はジョン・バレット・リミックスで、21〜22「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」と、23「PENNY LANE」は、公式盤「ANTHOLOGY 2」に収録された色々なテイクを合体させたリミックスです。この最強シングルは両A面で支持が二つに割れた事もあって、全英チャートでは2位止まりでした。全米チャートでは「PENNY LANE」が首位!で、「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」が8位となっています。最後の24(シークレット・トラック)は、サー・ジョージ・マーティンが、その時に全英首位!だったエンゲルベルト・フンパーディンクの「RELEASE ME」をBGMに「こんな曲のせいで全英首位!になれなかったよ」と恨み節を語っています。

(小島イコ)

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2025年06月21日

「ポールの道」#766「THE BEATLES BLACK VOX」
#075「GEORGE MARTIN INSTRUMENTALLY SALUTES THE BEATLE GIRLS」

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ビートルズは、ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターの4人で、メジャー・デビューから解散まで、不動のメンバーでした。それで、よく「5人目のビートルズ」と称される人物がいます。例えば、ジョンの親友で夭折したスチュワート・サトクリフや、メジャー・デビュー直前にクビになった前任ドラマーのピート・ベストや、1969年1月の「THE GET BACK SESSIONS」で客演してレコードでもビートルズと名を連ねたキーボード奏者のビリー・プレストンや、誰よりもビートルズを愛して世界的なスターへと導いたマネジャーのブライアン・エプスタインなどが挙げられます。しかしながら、誰かひとりを選ぶならば、ビートルズのレコードのほとんど全てをプロデュースして、楽曲のアレンジも行い、時にはキーボード奏者として演奏にも加わっていた、サー・ジョージ・マーティンこそが「5人目のビートルズ」でしょう。1926年1月3日に生まれたサー・ジョージ・マーティンは、1962年にビートルズと出逢った時には36歳の大人で、本格的なクラシック音楽を学んだ後にEMIパーロフォンに就職したものの、手掛けていたのは俳優のピーター・セラーズなどのコメディ色が濃いレコードでした。マネジャーのブライアン・エプスタインは、1962年1月1日に不合格になった「デッカ・オーディション・テープ」を売り込んでいて、ソレをサー・ジョージ・マーティンが興味を持って、ビートルズをパーロフォンからデビューさせたのです。元々、冗談音楽を手掛けていたアタマが柔らかい人なので、ビートルズの魅力に気付いたのでしょう。

サー・ジョージ・マーティンは、1963年リリースのビートルズのデビュー・アルバム「PLEASE PLEASE ME with Love Me Do and 12 other songs」で、早くもキーボード奏者としてオーバーダビングして演奏に参加していましたが、1964年のビートルズの初主演映画「A HARD DAY'S NIGHT」では本格的にインストゥルメンタル曲を提供しました。ビートルズの楽曲をオーケストラ・アレンジにした楽曲は、米国ユナイテッド・アーティスツからのサントラ盤に収録されて、それによってサー・ジョージ・マーティンは音楽家としても注目される様になりました。それで、同1964年に全曲をビートルズ・ナンバーのオーケストラ・アレンジで構成したアルバム「OFF THE BEATLE TRACK」を自分の名義でパーロフォンからリリースしたのです。内容は、A面が、1「ALL MY LOVING」、2「DON'T BOTHER ME」、3「CAN'T BUY ME LOVE」、4「ALL I'VE GOT TO DO」、5「I SAW HER STANDING THERE」、6「SHE LOVES YOU」で、B面が、1「FROM ME TO YOU」、2「THERE'S A PLACE」、3「THIS BOY」、4「PLEASE PLEASE ME」、5「LITTLE CHILD」、6「I WANT TO HOLD YOUR HAND」の、全12曲入りです。このアルバムは、ジョンがライナーノーツを書いていて、ジャケットにもサー・ジョージ・マーティンと一緒にビートルズの4人が映っています。レノン=マッカートニーによる大ヒット曲だけではなく、ジョージの「DON'T BOTHER ME」も演奏している辺りは、プロデューサーらしい気配りも感じられます。

翌1965年11月には、やはりオーケストラ・アレンジのアルバム「HELP!」をコロムビアからリリースしていて、内容は、A面が、1「HELP!」、2「ANOTHER GIRL」、3「YOU'RE GOING TO LOSE THAT GIRL」、4「I NEED YOU」、5「YOU'VE GOT TO HIDE YOUR LOVE AWAY」、6「THE NIGHT BEFORE」で、B面が、1「TICKET TO RIDE」、2「BAHAMA SOUND」、3「I'VE JUST SEEN A FACE」、4「IT'S ONLY LOVE」、5「TELL ME WHAT YOU SEE」、6「YESTERDAY」の、全12曲入りです。オリジナルの「BAHAMA SOUND」以外の11曲は全てアルバム「HELP!」からのカヴァー・ヴァージョンで、映画のサントラ盤ではケン・ソーンが書いて演奏しているので、ビートルズのプロデューサーは私だ、と云う自負が感じられます。こちらのライナーノーツは、ブライアン・エプスタインです。更に1966年10月にはアルバム「AND I LOVE HER」をコロムビアからリリースしていますが、こちらはビートルズだけではなく、他のヒット曲も交えた全12曲入りで、ビートルズ・ナンバーは「IF I FELL」、「AND I LOVE HER」、「NO REPLY」、「A HARD DAY'S NIGHT」、「I'M HAPPY JUST TO DANCE WITH YOU」、「I'LL CRY INSTEAD」と、半数の6曲です。1967年1月には、ポール・マッカートニーが単独で作曲した曲をアレンジしたサントラ盤「THE FAMILY WAY」を、サー・ジョージ・マーティンのオーケストラ・アレンジでデッカからリリースしています。

そして、1967年3月にユナイテッド・アーティスツからリリースしたのが、4作目のオーケストラ・アルバム「GEORGE MARTIN INSTRUMENTALLY SALUTES THE BEATLE GIRLS」です。つまり、アルバム「AND I LOVE HER」と、サントラ盤「FAMILY WAY」と、このアルバム「GEORGE MARTIN INSTRUMENTALLY SALUTES THE BEATLE GIRLS」は、半年の間に連続して別々のレーベルからリリースしているのです。サー・ジョージ・マーティンは1965年にEMIを辞めて独立して「AIR」を立ち上げたし、1966年には後にジャイルズ・マーティンの母親になる女性と再婚しているので、まさに稼ぎ時だったのでしょう。内容は、A面が、1「GIRL」、2「ELEANOR RIGBY」、3「SHE SAID, SHE SAID」、4「I'M ONLY SLEEPING」、5「ANNA(GO TO HIM)」、6「MICHELLE」で、B面が、1「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」、2「WOMAN」、3「YELLOW SUBMARINE」、4「HERE, THERE AND EVERYWHERE」、5「AND YOUR BIRD CAN SING」、6「GOODDAY SUNSHINE」の、全12曲入りです。何故か「ELEANOR RIGBY」だけが、インストゥルメンタル曲ではなく、男性コーラス隊がユニゾンで歌っています。そもそも「ELEANOR RIGBY」は、サー・ジョージ・マーティンのアレンジによる弦楽八重奏のみの演奏で、ビートルズは演奏に加わっていない楽曲です。それで、同じサー・ジョージ・マーティンのアレンジで男性コーラスが歌っているならば同じ様になるのか、と云うと、全く印象が違っていて、ポールとジョンとジョージが歌っていると、こんな云い方はアレですけれど、それだけで「ロック」なんですよ。

選曲は、全12曲中8曲(「ELEANOR RIGBY」、「SHE SAID, SHE SAID」、「I'M ONLY SLEEPING」、「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」、「YELLOW SUBMARINE」、「HERE, THERE AND EVERYWHERE」、「AND YOUR BIRD CAN SING」、「GOODDAY SUNSHINE」)が、当時の最新アルバム「REVOLVER」からで、後は前作アルバム「RUBBER SOUL」から2曲(「GIRL」、「MICHELLE」)、そしてタイトルに沿った選曲なのか、何故か1963年のデビュー・アルバム「PLEASE PLEASE ME with Love Me Do and 12 other songs」からアーサー・アレキサンダーのカヴァー曲「ANNA(GO TO HIM)」、そして、もう1曲の「WOMAN」は、ポールがバーナード・ウェブと云う変名で、ピーター&ゴードンに書いた曲です。そうした曲を選曲しているところにも、ひと捻りがあります。このアルバムのスゴイところはですね、ジョンが主導で書いたアルバム「REVOLVER」からの「SHE SAID, SHE SAID」と「I'M ONLY SLEEPING」と「AND YOUR BIRD CAN SING」の3曲をオーケストラ・アレンジのインストゥルメンタル曲としてカヴァーしている点に尽きます。サイケデリックでギラギラなアレンジのビートルズによるオリジナルでは陰に隠れてしまっている、ジョンが書いた曲のメロディーの美しさが際立っていて、ポールが主導で書いた「HERE, THERE AND EVERYWHERE」や「GOODDAY SUNSHINE」や「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」と並べても、全く引けを取りません。特に「SHE SAID, SHE SAID」の美しさには、ノックアウトです。ジャケットのハーレム状態のサー・ジョージ・マーティンも、イイ感じです。

(小島イコ)

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2025年06月20日

「ポールの道」#765「THE BEATLES BLACK VOX」
#074「CHET ATKINS PICKS ON THE BEATLES」

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ビートルズは英国パーロフォンから、1966年8月5日に7作目のオリジナル・アルバム「REVOLVER」をリリースして、その内容は当時はライヴでは再現不可能なレコーディングとなっていました。ウイングスやソロでのポール・マッカートニーは、自分が主導で書いたレノン=マッカートニー作品(「ELEANOR RIGBY」、「HERE, THERE AND EVERYWHERE」、「GOODDAY SUNSHINE」、「FOR NO ONE」、「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」)を、ホーン・セクションやシンセサイザーを駆使してライヴで披露しているし、ジョージ・ハリスンは1991年の来日公演でエリック・クラプトンのバンドをバックに「I WANT TO TELL YOU」と「TAXMAN」を演奏してくれたし、リンゴ・スターもオールスター・バンドで「YELLOW SUBMARINE」をハンドマイク片手にタコ踊りしながら歌っていますが、1966年当時のビートルズのライヴは、ジョン、ポール、ジョージ、リンゴの4人だけで行っていたわけで、それで例えば「TOMORROW NEVER KNOWS」をライヴ演奏するなんて事は有り得なかったわけです。既にアルバム「REVOLVER」のレコーディング・セッションが終了後に、ビートルズは最初で最後の来日公演を行っていて、そのライヴで披露したアルバム「REVOLVER」のセッションでレコーディングした曲は、先行シングルの「PAPERBACK WRITER」だけでした。いや、逆に、よく複雑な「PAPERBACK WRITER」をセットリストに入れたと思います。

武道館で行われた来日公演のセットリストは、1「ROCK AND ROLL MUSIC」、2「SHE'S A WOMAN」、3「IF I NEEDED SOMEONE」、4「DAY TRIPPER」、5「BABY'S IN BLACK」、6「I FEEL FINE」、7「YESTERDAY」、8「I WANNA BE YOUR MAN」、9「NOWHERE MAN」、10「PAPERBACK WRITER」、11「I'M DOWN」の、全11曲で、この構成は日本だけではなく、世界各地でも同じ様な全11曲のパッケージ・ショーとして行われていました。既にアルバム「REVOLVER」で新たな路線に突入していたビートルズにとって、毎日毎晩かつてのヒット曲を演奏するだけのツアーには飽き飽きしていたし、更にレコーディングに没頭したかったし、ジョンの「キリスト発言」などでアンチによる殺害予告が起こるなど身の危険も感じていたので、1966年8月29日のキャンドル・スティック・パークでのサンフランシスコ公演を最後に、ビートルズはライヴ活動を辞めてしまいます。ベスト・アルバム「THE BEATLES 1962-1966(赤盤)」と「THE BEATLES 1967-1970(青盤)」は、丁度ライヴ活動もやっていた時期と、レコーディング限定のバンドになった時期とで分かれています。アルバム「REVOLVER」が凄いところは、まだその時期にビートルズはライヴ・ツアーも行っていたので、レコードとライヴでは全く違ったバンドが並行して存在していた事実です。つまり、ビートルズはライヴを辞めてからアルバム「REVOLVER」を制作したのではなく、アルバム「REVOLVER」をリリースしてからライヴを辞めたのです。

さて、そんなビートルズの楽曲は、現役時代の1960年代から、2025年の現在まで、数多くのカヴァーが生まれています。「赤盤」時代が終わったので、そんなカヴァー・アルバムを取り上げてみます。今回紹介するのは、1966年3月にRCAからリリースされた、チェット・アトキンスのアルバム「CHET ATKINS PICKS ON THE BEATLES」です。1966年3月ですから、ビートルズはアルバム「REVOLVER」のレコーディング・セッション(1966年4月6日〜6月21日)に入る直前と云う時期です。内容は、A面が、1「I FEEL FINE」、2「YESTERDAY」、3「IF I FELL」、4「CAN'T BUY ME LOVE」、5「I'LL CRY INSTEAD」、6「THINGS WE SAID TODAY」で、B面が、1「A HARD DAY'S NIGHT」、2「I'LL FOLLOW THE SUN」、3「SHE'S A WOMAN」、4「AND I LOVE HER」、5「MICHELLE」、6「SHE LOVES YOU」の、全12曲入りです。全てがインストゥルメンタル曲にアレンジされていて、チェット・アトキンスがギターを弾いて、チャーリー・マッコイがハーモニカで参加しています。チェット・アトキンスは、カントリー系のギタリストですが、エルヴィス・プレスリーの「HEARTBREAK HOTEL」や「HOUND DOG」のバックでもリズム・ギターを弾いていて、エヴァリー・ブラザーズのセッションにも参加しているので、その辺からビートルズはチェット・アトキンスに興味を持ったのでしょう。チェット・アトキンスは、まるで2本のギターで多重録音した様に、1本のギターで弾いてしまうのです。実際に、ライヴで異なる2曲をリクエストされたら、同時に2曲を弾いたそうです。

特に影響を受けたのがジョージ・ハリスンで、ポール主導で書いた初期のレノン=マッカートニー作品「ALL MY LOVING」の間奏でのリード・ギターは「チェット・アトキンス奏法」と解説されていて、最初は、それは一体何なのか?と思ったものです。つまり、ジョージがチェット・アトキンスのギターをマネして弾いているから「チェット・アトキンス奏法」なのです。そんなビートルズにパクられた本人が、ビートルズが人気絶頂期に全曲をレノン=マッカートニー作品で固めたカヴァー・アルバムを逆にリリースしてしまったのが、このアルバム「CHET ATKINS PICKS ON THE BEATLES」です。このカヴァー・アルバムを出した時のチェット・アトキンスは41歳の大ベテランで「ミスター・ギター」と称される大御所だったわけですけれど、裏ジャケットでビートルズ・カットのカツラを被って笑っていたりして、冗談が通じる大人のギタリストでした。そして、このアルバム「CHET ATKINS PICKS ON THE BEATLES」には、ジョージ・ハリスン本人による熱烈な推薦文が寄せられています。インストゥルメンタル曲に関しては、日本では大瀧師匠も語っていた通り、歌モノよりも下に思われている傾向もありますけれど、そもそも日本でのエレキ・ブームはインストゥルメンタル曲のヴェンチャーズが発端ですし、細野さんが売れたのもインストゥルメンタル曲中心だった「YMO」だったし、大瀧師匠もオーケストラによるインストゥルメンタル曲にも拘ったので、実は日本人はインストゥルメンタル曲が好きなのです。

さて、本日6月20日は、先日亡くなったブライアン・ウィルソンが83歳のお誕生日を迎えるはずでした。そう云えば、アルバム「PET SOUNDS」にも2曲インストゥルメンタル曲が収録されていて、アレが効いています。何せ、タイトル曲がインストゥルメンタル曲です。

(小島イコ)

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「雲霧仁左衛門4」第六回(再)で内山理名ちゃん

Back to Black by AMY WINEHOUSE (2007-12-19)


時代劇専門チャンネル 4:00〜5:00

第六回「黒幕分断」

内山理名 AS 七化けのお千代

「雲霧仁左衛門4」第六回の、今年4回目の再放送です。安部式部の読み通り、またしても柏屋を襲撃した雲霧一党は、理名ちゃんが演じるお千代姐さんの匂い袋から足がついて失敗します。責任を感じたお千代姐さんは、雲霧仁左衛門からもらった宝物の匂い袋を燃やし、自ら志願して「男」に化けて潜入します。次回は、お千代姐さんが驚きの活躍をする最終話です。

本放送:2018年10月12日(NHK BSプレミアム)

(姫川未亜)

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2025年06月19日

「ポールの道」#764「THE BEATLES BLACK VOX」
#073「YESTERDAY AND TODAY / REVOLVER」

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米国キャピトルは、1966年6月20日に、ビートルズのキャピトルでは10作目(米国では12作目)の編集アルバム「YESTERDAY AND TODAY」をリリースしました。内容は、A面が、1「DRIVE MY CAR」、2「I'M ONLY SLEEPING」、3「NOWHERE MAN」、4「DR. ROBERT」、5「YESTERDAY」、6「ACT NATURALLY」で、B面が、1「AND YOUR BIRD CAN SING」、2「IF I NEEDED SOMEONE」、3「WE CAN WORK IT OUT」、4「WHAT GOES ON」、5「DAY TRIPPER」の全11曲入りでした。それは、英国オリジナル5作目のアルバム「HELP!」から2曲(「YESTERDAY」、「ACT NATURALLY」)、英国オリジナル6作目のアルバム「RUBBER SOUL」から4曲(「DRIVE MY CAR」、「NOWHERE MAN」、「IF I NEEDED SOMEONE」、「WHAT GOES ON」)、英国ではシングルのみだった2曲(「WE CAN WORK IT OUT」、「DAY TRIPPER」)、そして、英国オリジナルではまだリリース前だった7作目のアルバム「REVOLVER」から先出しさせた3曲(「I'M ONLY SLEEPING」、「DR. ROBERT」、「AND YOUR BIRD CAN SING」)をごった煮にしたトンデモ過ぎる選曲です。更に、1966年8月8日には、米国キャピトルでは11作目(米国では13作目)の編集アルバム「REVOLVER」をリリースしています。この米国キャピトル盤のアルバム「REVOLVER」は、更にトンデモな内容でのリリースでした。

クラウス・フォアマンによるジャケットも、タイトルも英国オリジナル7作目のアルバム「REVOLVER」と同じなのに、A面が、1「TAXMAN」、2「ELEANOR RIGBY」、3「LOVE YOU TO」、4「HERE, THERE AND EVERYWHERE」、5「YELLOW SUBMARINE」、6「SHE SAID, SHE SAID」で、B面が、1「GOODDAY SUNSHINE」、2「FOR NO ONE」、3「I WANT TO TELL YOU」、4「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」、5「TOMORROW NEVER KNOWS」の、全11曲入りで、要するにアルバム「YESTERDAY AND TODAY」で先出しさせた3曲(「I'M ONLY SLEEPING」、「DR. ROBERT」、「AND YOUR BIRD CAN SING」)を抜いただけの内容だったのです。しかも、しかもですよ、その3曲が全てジョンが主導で書いて歌っている曲ばかりだったので、米国キャピトル盤のアルバム「REVOLVER」では、ポールが主導で書いて歌っているのが英国盤と同じ5曲(「ELEANOR RIGBY」、「HERE, THERE AND EVERYWHERE」、「GOODDAY SUNSHINE」、「FOR NO ONE」、「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」)で、ジョージが書いて歌っているのが英国盤と同じ3曲(「TAXMAN」、「LOVE YOU TO」、「I WANT TO TELL YOU」)で、レノン=マッカートニー作でリンゴが歌っているのが英国盤と同じ1曲(「YELLOW SUBMARINE」)で、ジョンが主導で書いて歌っているのが2曲(「SHE SAID, SHE SAID」、「TOMORROW NEVER KNOWS」)となっているのです。

英国盤オリジナルのアルバム「REVOLVER」は、ジョンが主導で書いて歌っている曲と、ポールが主導で書いて歌っている曲が交互に配置されていて、ソレにジョージの曲とリンゴの歌を加えている構成となっていて、ジョージの曲とリンゴの歌を抜いても、ジョンとポールは代わる代わるに歌っている、絶妙なパワーバランスとなっています。ソレをですね、米国キャピトル盤ではジョンの3曲を抜いているので、矢鱈とポールの曲がつづいていて、ジョージが3曲書いているので、ジョンが2曲でジョージよりも少なくなっているのです。確かに、アルバム「REVOLVER」でのポールの5曲(「ELEANOR RIGBY」、「HERE, THERE AND EVERYWHERE」、「GOODDAY SUNSHINE」、「FOR NO ONE」、「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」)は全てが名曲ではありますけれど、それらがジョンの5曲と均等に並べてあるのが重要なのです。こうして米国キャピトル盤のスカスカな内容を聴くとですね、如何にジョンの曲がアルバムを印象的にしていたのかが分かります。ポールの曲ばかりだと、確かに美しい曲ばかりですけれど、ただそれだけな感じがするのです。例えば、英国盤ではB面の「GOODDAY SUNSHINE」と「FOR NO ONE」の間には「AND YOUR BIRD CAN SING」が入っているわけで、ソレがあるのとないのとでは、感動の度合いが違いすぎます。A面でも、「ELEANOR RIGBY」の次は「I'M ONLY SLEEPING」なわけで、吹っ飛ばしてジョージのインド炸裂な「LOVE YOU TO」になる違和感はスゴイのです。

多くの米国のファンは、1987年に英国オリジナル仕様でアルバム「REVOLVER」が初CD化された時に、初めて本物のアルバム「REVOLVER」を聴いたと思われるので、さぞ驚いたでしょう。米国キャピトルでは、次作アルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」から英国オリジナルと同じ内容になりましたが、その前がこのスカスカ「REVOLVER」だったので、その落差に驚愕して、それもあってアルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」がより重要なアルバムと考えられるようになったのでしょう。さて、そんなトンデモ編集アルバム「YESTERDAY AND TODAY」と、スカスカ「REVOLVER」を「2in1」にしたパイレート盤も幾つも出ています。今回は「AFTER TONES」からのアルバム「YESTERDAY AND TODAY / REVOLVER」を紹介します。全22曲入りで、前半11曲が米国キャピトル編集盤「YESTERDAY AND TODAY」で、後半11曲が米国キャピトル編集スカスカ盤「REVOLVER」を収録しています。このシリーズは他のキャピトル編集アルバムも「2in1」で収録したCDとしてリリースされています。それらに共通してジャケットにオープンリール・デッキの写真が載っているので、ソースはレコード盤ではなく、オープンリールテープを使用していると思われます。編集アルバム「YESTERDAY AND TODAY」には、かき集めた音源なので、リンゴの歌が2曲も入っているのもズッコケ・ポイントのひとつです。先出しさせた3曲も含めて、全てステレオ・ミックスで収録されています。

この「2in1」は、裏ジャケットには曲名が載っていて、ソレの編集アルバム「YESTERDAY AND TODAY」は、オリジナル仕様の全11曲の曲順になっています。ところが、実際に聴いてみると、1「DRIVE MY CAR」、2「I'M ONLY SLEEPING」、3「NOWHERE MAN」、4「WHAT GOES ON」、5「DAY TRIPPER」、6「DR. ROBERT」、7「YESTERDAY」、8「ACT NATURALLY」、9「AND YOUR BIRD CAN SING」、10「IF I NEEDED SOMEONE」、11「WE CAN WORK IT OUT」、となっていて、つまり「WHAT GOES ON」と「DAY TRIPPER」の位置が前倒しに移動しています。後半はスカスカ「REVOLVER」で、12「TAXMAN」、13「ELEANOR RIGBY」、14「LOVE YOU TO」、15「HERE, THERE AND EVERYWHERE」、16「YELLOW SUBMARINE」、17「SHE SAID, SHE SAID」、18「GOODDAY SUNSHINE」、19「FOR NO ONE」、20「I WANT TO TELL YOU」、21「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」、22「TOMORROW NEVER KNOWS」です。先出しさせた3曲が前半の編集アルバム「YESTERDAY AND TODAY」で聴けるのに、後半のスカスカな違和感は変わらずにあります。この米国スカスカ「REVOLVER」は、2014年の箱「THE U.S. ALBUMS」に2009年リマスター音源に差し替えて初CD化されて収録されているのですけれど、英国オリジナルから3曲を抜いて、音源は2009年リマスターにした意味が分かりません。

(小島イコ)

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「雲霧仁左衛門4」第五回(再)で内山理名ちゃん

Great Escape


時代劇専門チャンネル 4:00〜5:00

第五回「大脱走」

内山理名 AS 七化けのお千代

「雲霧仁左衛門4」第五回の、今年4回目の再放送です。前々回の再放送が年を跨いだので、この回からは4回目となります。第五回では、雲霧一党とは無関係な静が安部式部に人質に取られてしまい、静を慕う熊五郎が身代わりになって捕らえられてしまいます。そこで雲霧一党は、市中引き回しされる熊五郎を白昼堂々と救出します。しかし、理名ちゃんが演じるお千代姐さんが雲霧仁左衛門から貰った匂い袋を大切にいつも身に着けていて、そこから足がついてしまい大変な事になります。

本放送:2018年10月5日(NHK BSプレミアム)

(姫川未亜)

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2025年06月18日

「ポールの道」#763「THE BEATLES BLACK VOX」
#072「REVOLVER SPECIAL EDITION」

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2022年10月28日に、公式盤「REVOLVER」がリリースされました。それは、CD5枚組の箱と、2CDと、1CDと、4LP+1EPと、1LPと、1LPピクチャー・ディスクの6形態で、それまでの箱に入っていたブルーレイがなくなっています。6形態全てに共通しているのは、ジャイルズ・マーティンとサム・オケルによるアルバム「REVOLVER」の最新ステレオ・リミックス盤です。1CDや1LPの通常盤もそのステレオ・リミックスが収録されているので、コレ以降は2022年ステレオ・リミックスがレギュラーとなりました。2023年リリースのベスト・アルバム「THE BEATLES 1962-1966(赤盤)」の新装拡大盤にも、アルバム「REVOLVER」からの7曲と同時期のシングル「PAPERBACK WRITER」を加えた8曲は、全て2022年ステレオ・リミックスが収録されています。市場には、1987年の初CD(ステレオ)と、2009年リマスター(ステレオと箱でモノラル)と、この2022年ステレオ・リミックス(箱でモノラル)が出回っているのですけれど、普通に考えて新しいヴァージョンがより多く出ているわけで、2025年の現在、最も入手し易く、かつ多く聴かれているのは、2022年ステレオ・リミックスであると考えても宜しいかと存じます。2009年リマスターとは、ステレオ・リミックスに関しては全くの別物ですし、箱に収録されているモノラル・マスターも、2009年モノラル・リマスターとは違っています。ジャイルズ・マーティンとサム・オケルは、オリジナル・モノラル・ミックスが1966年当時にビートルズやサー・ジョージ・マーティンやジェフ・エメリックたちが意図した音源だと考えて、ソレをステレオ化したのが2022年ステレオ・リミックスだと云っています。

2022年ステレオ・リミックスは、例えば最初の「TAXMAN」のイントロで聴こえていたノイズを除去していたり、「ELEANOR RIGBY」の出だしでのヴォーカルをミキシングでミスした部分を修正されていたり、全体的にヴォーカルとドラムスをセンターにしているものの、「HERE, THERE AND EVERYWHERE」ではポールのダブルトラック・ヴォーカルがセンター寄りの左右にしていたり、色々と工夫しています。が、しかし、当然ながら1966年ステレオ・ミックスとも、1987年旧CDとも、2009年リマスターとも、違っているステレオ・リミックスです。箱の内容は、CD1が2022年ステレオ・リミックス全14曲、CD2がセッション音源全14テイク、CD3がセッション音源全17テイク、CD4がオリジナル・モノラル・マスター、CD5がシングル「PAPERBACK WRITER / RAIN」の2022年ステレオ・リミックスと1966年オリジナル・モノラル・リマスター全4テイクです。コレはですね、4LP+1EPのアナログ盤の箱と同内容なのです。つまりですね、CDだったら2枚半位で入ってしまう音源を5枚に分けて収録しているのです。ブルーレイだったら、軽く1枚に入る内容です。この「REVOLVER」2022年ヴァージョンは、アナログ盤のフォーマットを意識している構成となっていて、5CDの箱を買うと、何だか損をした気分になりました。特にCD5は、アナログ盤EPと同じで4曲しか入っていなくて、コレは2021年の箱「LET IT BE」から始まった姑息な売り方です。2CDヴァージョンでは、CD1が2022年ステレオ・リミックスで、CD2が「PAPERBACK WRITER / RAIN」のステレオ・リミックスにセッション音源ダイジェストを加えた全15曲入りです。

箱のCD1とCD4は、1「TAXMAN」、2「ELEANOR RIGBY」、3「I'M ONLY SLEEPING」、4「LOVE YOU TO」、5「HERE, THERE AND EVERYWHERE」、6「YELLOW SUBMARINE」、7「SHE SAID, SHE SAID」、8「GOODDAY SUNSHINE」、9「AND YOUR BIRD CAN SING」、10「FOR NO ONE」、11「DOCTOR ROBERT」、12「I WANT TO TELL YOU」、13「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」、14「TOMORROW NEVER KNOWS」全14曲で、CD1は2022年ステレオ・リミックスなのですけれど、CD4は1966年オリジナル・モノラル・マスターです。コレがですね、オリジナル・モノラル・マスターと謳っているだけはあって、2009年の箱「THE BEATLES IN MONO」に収録されているモノラル・リマスターとは明らかに違っています。2009年から2022年までの間に13年も経っているので、CDでの再現度も向上してはいるのでしょうけれど、それ以前にリマスター作業の方向性とやり方が違っているのでしょう。何やら最近「THE BEATLES IN MONO」のアナログ盤の箱を再発するらしく、アナログ盤がブームになっているわけですが、アレは2009年モノラル・リマスターであって、元々の1960年代のアナログ・モノラル盤とは別物なので、購入するのならば覚悟した方が良いですよ。そのオリジナル・モノラル・マスターは、前述の通り、ジャイルズ・マーティンとサム・オケルがお手本にしたと発言しているのに、5CDか4LP+1EPの箱を買わなければ聴けません。コレは些か本末転倒で、せめて2CDヴァージョンはステレオ・リミックスとオリジナル・モノラル・マスターの2枚組にすべきだったと思います。

CD3とCD4のセッション音源は、CD3が、1〜2「TOMORROW NEVER KNOWS」、3〜5「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」、6〜8「LOVE YOU TO」、9「PAPERBACK WRITER」、10〜11「RAIN」、12「DOCTOR ROBERT」、13〜14「AND YOUR BIRD CAN SING」の、全14テイク入りです。CD4が、1「AND YOUR BIRD CAN SING」、2「TAXMAN」、3〜6「I'M ONLY SLEEPING」、7〜8「ELEANOR RIGBY」、9「FOR NO ONE」、10〜13「YELLOW SUBMARINE」、14「I WANT TO TELL YOU」、15「HERE, THERE AND EVERYWHERE」、16〜17「SHE SAID, SHE SAID」の、全17テイク入りです。繰り返しますが、CD5は、1「PAPERBACK WRITER」、2「RAIN」、3「PAPERBACK WRITER」、4「RAIN」の4曲入りで、それぞれの2022年ステレオ・リミックスと1966年オリジナル・モノラル・リマスターとなっています。ソレが、2CDヴァージョンだと、CD1が2022年ステレオ・リミックス全14曲で、CD2が、1「PAPERBACK WRITER」、2「RAIN」、3「TOMORROW NEVER KNOWS」、4「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」、5「LOVE YOU TO」、6「DOCTOR ROBERT」、7「AND YOUR BIRD CAN SING」、8「TAXMAN」、9「I'M ONLY SLEEPING」、10「ELEANOR RIGBY」、11「FOR NO ONE」、12「YELLOW SUBMARINE」、13「I WANT TO TELL YOU」、14「HERE, THERE AND EVERYWHERE」、15「SHE SAID, SHE SAID」の、全15曲入りで、「PAPERBACK WRITER / RAIN」の2022年ステレオ・リミックスに、セッション音源のダイジェストを加えたカタチになっています。

箱のCD3は、1「TOMORROW NEVER KNOWS」が1996年の公式盤アルバム「ANTHOLOGY 2」に収録されたのと同じテイク1で、2「TOMORROW NEVER KNOWS」は英国初回モノラル盤に収録されてしまった別モノラル・ミックスです。音源だけ聴きたいのならば、この箱を買った方が英国初回モノラル盤を買うよりもお手軽でしょう。3〜5「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」は、公式盤「ANTHOLOGY 2」に収録された初期ヴァージョン(アレよりも長いテイク)から、完成形のホーン・セクション入りまでの制作過程が分かります。6〜8「LOVE YOU TO」も、デモ音源からリハーサル音源を経て完成形までの過程が聴けます。9「PAPERBACK WRITER」は演奏のみの初期テイクで、10と11「RAIN」も演奏のみながら、ジェフ・エメリックの提案でテープ・スピードを上げて速弾きで演奏したテイクと、それを逆にスピードを落としてスローテンポなテイクにした両方共に聴けます。スローテンポにした完成形でもポールのベースが速弾きなのに、実際にレコーディングした時には更に速くて、テケテケ・ベースになっています。12「DOCTOR ROBERT」は完成テイクですが、レコードよりも長いヴァージョンです。13〜14「AND YOUR BIRD CAN SING」の初期テイクで、ジョンとポールが何かキメているのか、ゲラゲラ笑って歌えなくなっています。CD4の1「AND YOUR BIRD CAN SING」は、より完成形に近くなっていますが、間奏でギターがハモっているところで3声コーラスが入っていて、コレはコレでイイ感じです。2「TAXMAN」は、アルバム「ANTHOLOGY 2」に収録されたのと同じテイクです。

3〜6「I'M ONLY SLEEPING」は、リハーサル音源から別テイクを経て、別モノラル・ミックスまでたっぷりと聴けます。7〜8「ELEANOR RIGBY」は、サー・ジョージ・マーティンが指揮する弦楽八重奏による演奏で、この曲ではポールが歌いジョンとジョージがコーラスを入れているだけで、ビートルズは演奏していません。9「FOR NO ONE」も演奏のみですが、こちらはポールのピアノ&クラヴィコードと、リンゴのドラムス&マラカスです。10〜13「YELLOW SUBMARINE」は、この箱で最も驚いた音源で、まず、ジョンがAメロをギターの弾き語りで歌っていて、ソレにポールがコーラス部分を書き足してジョンが歌っていて、リンゴの歌になる過程が記録されています。この「YELLOW SUBMARINE」はポールが主導で書かれたと云う間違った見解がずっと書かれて来たのですけれど、この箱で本当のレノン=マッカートニーによる合作だったと証明されたのです。コレでおかしいのは、生前のジョンは「合作だ」と云っていたのに、評論家たちはそのジョンの発言を無視して、勝手に「ポール作」と決めつけていたのです。こうしてジョンが歌っている音源が出て来て、アノ阿呆どもはどんな気分なんでしょうなあ。14「I WANT TO TELL YOU」は、出だしでまだ決まっていない曲名をコールする部分が面白く、15「HERE, THERE AND EVERYWHERE」は美しい別テイクで、16〜17「SHE SAID, SHE SAID」はジョンによるデモと、演奏のみのリハーサル音源で、こちらでは明らかにポールがベースを弾いているでしょう。

この「SHE SAID, SHE SAID」は、レコーディング途中でジョンとポールがアレンジで口論になって、ポールが完成前に帰ってしまったので、ポール自身が「僕は先に帰ったから参加していない、ベースはジョージが弾いていると思う」と発言していたのですけれど、ベーシック・トラックでベースを弾いているのはポールでした。当のメンバーであるジョンやポールやジョージの発言ですら当てにならないし、リンゴは多分何も覚えていない(実際に、ジョージがアルバム「ALL THINGS MUST PASS」の記念盤をリリースする時に、参加ミュージシャンの回想を掲載しようとしたら、リンゴが何も覚えていなくて断念した)ので、あやふやな説を唱えるのも考え物です。このセッション音源は、レコーディング順に収録されていて、最初が「TOMORROW NEVER KNOWS」から始まっている事や、次の初期テイクの「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」も完成形よりもずっとサイケデリックなアレンジで演奏されていて、3曲目がインド音楽に大胆に接近した「LOVE YOU TO」だった事などから、元々ライヴで再現する事など念頭に置いていなかったと思われます。不可思議なのは、米国キャピトル編集アルバム「YESTERDAY AND TODAY」に先出しされた3曲が、先にレコーディングした曲ではなかったと云う点です。まあ、いきなり「TOMORROW NEVER KNOWS」とか「LOVE YOU TO」とかを先出しされても、米国キャピトルも困ったちゃんになったでしょうけれどね。

さて、本日(6月18日)はサー・ポール・マッカートニーの83歳のお誕生日です。流石に声は衰えていますが、演奏能力は逆に上手くなっている気もしますので、まだまだ頑張って頂きたいです。

(小島イコ)

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「雲霧仁左衛門4」第四回(再)で内山理名ちゃん



時代劇専門チャンネル 4:00〜5:00

第四回「鬼」

内山理名 AS 七化けのお千代

「雲霧仁左衛門4」第四回の、今年3回目の再放送です。第四回では、毎回の事ですが、理名ちゃんが演じるお千代姐さんは、場面ごとに着物が違っています。その辺は、なかなかのオシャレさんです。この回では、雲霧仁左衛門の厳しい「鬼」の一面が観れます。

本放送:2018年9月28日(NHK BSプレミアム)

(姫川未亜)

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2025年06月17日

「ポールの道」#762「THE BEATLES BLACK VOX」
#071「REVOLVER AI AUDIO COMPANION」

リボルバー


ビートルズの音源は、1987年から1988年にかけて初CD化された際に、初期の4作アルバム(「PLEASE PLEASE ME with Love Me Do and 12 other songs」、「WITH THE BEATLES」、「A HARD DAY'S NIGHT」、「BEATLES FOR SALE」)はモノラルで、アルバム「HELP!」とアルバム「RUBBER SOUL」はサー・ジョージ・マーティンがリミックスしたステレオで、その後のアルバム(「REVOLVER」、「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」、「THE BEATLES(ホワイト・アルバム)」、「YELLOW SUBMARINE」、「ABBEY ROAD」、「LET IT BE」)と米国キャピトル編集アルバム「MAGICAL MYSTERY TOUR」はオリジナル・ステレオで、アルバム未収録曲は編集アルバム「PAST MASTERS」で基本的にはステレオで、全世界統一規格化されました。それが22年位放って置かれて、2009年9月9日にステレオとモノラルがリマスターされました。リマスターするのにもそんなに時間が経っていて、その間の1994年にはスタジオ・ライヴ「LIVE AT THE BBC」や、1995年から1996年にかけてのボツ音源集「ANTHOLOGY」がリリースされたり、2004年と2006年に米国キャピトル編集アルバム8作(「MEET THE BEATLES!」、「THE BEATLES' SECOND ALBUM」、「SOMETHING NEW」、「BEATLES ’65」、「THE EARLY BEATLES」、「BEATLES Y」、「HELP!」、「RUBBER SOUL」)がステレオとモノラルでリリースされたりして、特に新たに増えた若いファンは混乱したと思います。

リマスターした事が大騒ぎになった位なので、ビートルズの音源をリミックスするなんて以ての外となっていたのですが、そもそも初CD化の際もアルバム「HELP!」とアルバム「RUBBER SOUL」はサー・ジョージ・マーティンがリミックスしていて、2009年リマスターもその2作は1987年リミックス音源を元にしています。つまり、サー・ジョージ・マーティンがやる分には良いと云う事になっていました。ところが、1999年にピーター・コビンによってリミックスされた編集アルバム「YELLOW SUBMARINE SONGTRACK」が登場して、賛否両論となったのです。2003年のリミックス・アルバム「LET IT BE... NAKED」も、ちっとも裸じゃない盛大なるリミックス音源で肯定的な意見はなかったのですけれど、2006年には遂にマッシュアップしたアルバム「LOVE」が登場して、しかもサー・ジョージ・マーティンと息子のジャイルズ・マーティンが手掛けた事で、いよいよ「ビートルズの音源に手を加えても良い」事となりました。サー・ジョージ・マーティンは既に聴覚が衰えていて引退状態だったので、主にジャイルズ・マーティンが行ったのでしょうけれど、つまり、マッシュアップ盤「LOVE」は、サー・ジョージ・マーティンから後継者であるジャイルズ・マーティンへの継承式の様な作品だったのでしょう。サー・ジョージ・マーティンは2016年3月8日に90歳で亡くなっていますが、遺作はその2006年のアルバム「LOVE」です。

サー・ジョージ・マーティンが存命中の2015年に、ジャイルズ・マーティンはビートルズの一家に一枚のベスト・アルバム「1」をリミックスしていて、それでゴー・サインが出たのか、2017年からは本格的にビートルズのアルバムを、エンジニアのサム・オケルと共にリミックスしてゆく事となりました。2017年の箱「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」、2018年の箱「THE BEATLES」、2019年の箱「ABBEY ROAD」、2020年はコロナ禍で中断し、2021年の箱「LET IT BE」と、50周年記念盤をリリースして、2022年には遡って箱「REVOLVER」、2023年にはベスト・アルバム「THE BEATLES 1962-1966(赤盤)」と「THE BEATLES 1967-1970(青盤)」の新装拡大盤とつづいています。特に、2022年の箱「REVOLVER」からは、リミックスするだけではなくデミックスも行っていて、それは「AI」を使ってマスターテープの音源を歌や楽器ごとに抽出する技術を駆使しているのです。それによって、例えばモノラル音源しかないリンゴ版「LOVE ME DO」や「SHE LOVES YOU」と云った楽曲が、見事にステレオ・リミックスされていたりもします。その反面、聴き慣れたオリジナル・ステレオ・ミックスとは明らかに違うステレオ・リミックスになっている曲もあって、ソレは違うんじゃないか、と云うオールド・ファンの声も聞かれます。

今回紹介するのは、2021年に「Superb premium」からリリースされたCD2枚組のアルバム「REVOLVER AI AUDIO COMPANION」です。この「Superb premium」からは、2024年にジョン・レノンのソロ・アルバム「MIND GAMES AI AUDIO COMPANION」も出ていて、ソレが公式盤の箱よりも良い内容だったので、ビートルズのアルバムも何作も出しているから、試しに「REVOLVER」を中古盤で買ったのです。2021年リリースなので、公式盤の箱「REVOLVER」よりも1年早く出ていて、内容は「なんちゃってデミックス」です。CD1もCD2も、1&15「TAXMAN」、2&16「ELEANOR RIGBY」、3&17「I'M ONLY SLEEPING」、4&18「LOVE YOU TO」、5&19「HERE, THERE AND EVERYWHERE」、6&20「YELLOW SUBMARINE」、7&21「SHE SAID, SHE SAID」、8&22「GOODDAY SUNSHINE」、9&23「AND YOUR BIRD CAN SING」、10&24「FOR NO ONE」、11&25「DOCTOR ROBERT」、12&26「I WANT TO TELL YOU」、13&27「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」、14&28「TOMORROW NEVER KNOWS」の、全28曲の合計56曲入りです。つまり、アルバム「REVOLVER」全14曲が4回繰り返し収録されていて、シングル「PAPERBACK WRITER / RAIN」などのボーナス・トラックは一切入っておりません。

内容は、CD1の1〜14は「AI」によるデミックス音源で、公式盤のデミックスとは当然ながら違っていて、センターに位置するヴォーカルやコーラスが前に出ていて、例えば「ELEANOR RIGBY」などは、ポールのリード・ヴォーカルだけではなく、ジョンとジョージによるコーラスもハッキリと聴こえて、本当にジョンとジョージも歌っていると分かります。昔、コレを全てポールによる多重録音だ、などと書いていた評論家がいたのですけれど、困ったちゃんですなあ。CD1の15〜28の方は「NAKED VOCAL」と題した、よりヴォーカルを前に出したデミックス音源になっているのですけれど、ヴォーカルを前に出したと云うよりも、演奏を下げた印象で、今ひとつな出来栄えになっています。CD2の1〜14は、オリジナル・アナログ・ステレオ・ミックスです。何だ、オリジナルかよ、と思われるでしょうけれど、2022年の公式盤の箱やバラ売りされているのは2022年ステレオ・リミックスなのです。確かに、1987年の旧CDや、2009年リマスターCDは、オリジナル・ステレオ・ミックスですけれど、2025年の現在、市場に出ているのは2022年ステレオ・リミックスですし、2023年の「THE BEATLES 1962-1966(赤盤)」の新装拡大盤に収録されているアルバム「REVOLVER」からの7曲は、全て2022年ステレオ・リミックスなのです。

ジョンの公式盤アルバム「MIND GAMES」の箱や通常盤では、アウトテイク集を除く全てが「ステレオ・リミックス」や「なんちゃってリミックス」になっていて、オリジナル・ステレオ・ミックスにはあった楽器が入っていないなどと云う、ジョンが生きていたら有り得なかった様なカタチでリリースされていて、そりゃあ、ないでしょう、となったのです。ソレがですね、「Superb premium」からのアルバム「MIND GAMES AI AUDIO COMPANION」にはオリジナル・ステレオ・ミックスも入っていたし、公式盤では面倒な手順を踏まないと聴けないボーナス・トラックも普通に聴けるのですよ。ですから、こっちでも「なんちゃってデミックス」3種の他にオリジナル・ステレオ・ミックスが入っているのは良かったです。CD2の15〜28は、なんちゃってデミックスによるアルバム「REVOLVER」全14曲のカラオケです。コレも「MIND GAMES AI AUDIO COMPANION」にも同じ様に入っていて、あっちは元々のレコーディングが良いのか、見事なカラオケになっていました。それでこっちも期待したのですけれど、ところどころヴォーカルが残ってしまっていて、完璧なカラオケにはなっていません。その辺は、プロと素人の違いが出ている感じはします。と云うか、このカラオケもどき音源は、聴いていてかなり「気持ち悪い」です。このシリーズはビートルズの他のアルバムも出ているのですけれど、このアルバム「REVOLVER」の出来栄えからすると、他も期待出来ないです。

(小島イコ)

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空想格闘メタフィクション

「千秋万歳」第2部第1章 COME AND GET IT

其の四 幸せのアンサー(上)



「第壱回・片瀬那奈・怪優グランプリ」のつづきの
「千秋万歳」序章のつづきの


西暦 2025年 西豪寺ホール近くの居酒屋


客A:一体何だったんだ?今夜のメインエベントは?

客B:2本目までの秒殺合戦までは分かりましたけれど、3本目のノーフォール引き分けとなった58分間の攻防は、サッパリ分かりませんでしたね。

イコ:アレは録画した映像で再確認しないと、解読は無理なんじゃないかな。

客A:ズバリ云って、俺の目じゃ見えなかったよ。

客B:私も、何が起こっているのか全く見えてなかったです。

イコ:大久保千秋くんと美月うららくんの動きが速すぎて、肉眼では何が何だか分からなかったものの、何かスゴイ事が起きている事だけは理解出来ましたね。以前、西豪寺エレナ様と美月うららくんの対戦で、同じ様な現象があったけれど、58分も続いたのは初めてですよ。

客A:でもアレじゃあ、わざわざ会場へ観に行くファンを置いてけぼりにしてしまうよ。

客B:次は別のアプローチをするでしょうから、私は観にゆきますけれどね。

イコ:メインエベントだけはブックなしだったから、仕方ないんですよ。大久保千秋くんや美月うららくんの好きな様にやらせないと、独立させた意味がないんですよ。

客A:アンタ、やけに詳しいな。関係者か何かかい?

イコ:いえいえ、個人的な感想ですよ。

客B:あっ、貴方は小島イコさんでしょう。

イコ:バレましたか。興行の後は、こうしてファンの意見をリサーチしているんですよ。今回のメインエベントは、西豪寺エレナ様と柏木礼奈くんがリングサイド最前列で観戦していましたからねえ。それで、アンナ風になったのでしょう。

客A:肉眼で見えないって云うのは、一寸やりすぎなんじゃないの。

客B:58分間、本当にリング上には内山理名レフェリーしかいないかの様でした。たまに二人の姿もチラリンコと見えるけれど、すぐに消えちゃう。

イコ:大久保千秋くんと美月うららくんですからね、本気になったら何をするか分かりませんよ。プロレスリング・エレナ時代は、西豪寺エレナ様が抑えていたし、あたくしもブック通りにして欲しいとお願いしていたけれど、今やMZGとして独立してしまいましたからねえ。

客A:確かに、今までにはなかったプロレスではあったね。

客B:私は応援しますよ。判官贔屓ってのもあるし、ファン・サービスは抜群だったし、メインエベント以外は普通に面白かったです。サイン会や歌のコーナーもあったし、メインエベントに関しては、謎が多いけれど、ソレも魅力ですよ。

イコ:う〜ん、やっぱりMZGは通好みな団体になりそうですなあ。消えるファイトは今回限りにしてもらいますよ。

客A:イコさんの云う事を聞くんですか?独立したんじゃないの?

客B:ブックもないんでしょう?

イコ:いえね、あんまり詳しくは云えないけれど、MZGのスポンサーが西豪寺エレナ様である事は、ファンも薄々勘付いていると思うんですよ。だから、マッチメイクやブックに関しても、あたくし小島イコも意見する事は可能ではあるんですよ。但し、プロレスリング・エレナみたいに絶対ではなくて、微妙で曖昧な立場なんです。

客A:メインエベントはセメントか。

客B:セメントで60分フルタイムですか。

イコ:セメントと云ってもね、あくまでもプロレスですよ。でなきゃ、60分も3倍速で動けませんからね。旗揚げ戦だったから、ビックリさせようって試みでしょう。消える魔球とか、見えないスイングみたいなモンですよ。

客A:見えなきゃ、仕方ないよな。

客B:VTRをスロー再生すればいいんですね。それだと3時間掛かるのか。

イコ:MZGとしては、倍速ファイトは次からは封印するでしょう。 但し、プロレスリング・エレナとの対抗戦になったなら、3倍速どころか5倍速とかをやらかす気はあるでしょうなあ。無論、トップクラスの西豪寺エレナ様や柏木礼奈くんならば、充分に対応出来ます。やれるけれど、見えないんじゃ仕方ないからやらないだけです。

客A:俺はプロレスリング・エレナの方が良いな。やっぱり、見えないんじゃお金を払って会場に行く意味がないもんな。

客B:私は、MZGの可能性に魅力を感じますね。

イコ:賛否両論となるのは、想定内でしょう。兎に角、メインエベントは今までには見た事がない「見えないプロレス」だったわけで、加速をつけた動きを60分間も出来る大久保千秋くんと美月うららくんの並外れた身体能力の高さを、満天下に知らしめました。プロレスリング・エレナではやれなかったプロレスを、今後も魅せてくれるでしょう。

客A:今後は「見えるプロレス」でお願いしますよ。

客B:次回も楽しみにしています。

イコ:まあ、あたくしも今後のMZGの展開は読めないんですけれどね。一応、美月うらら社長には伝えますよ。

客A:ところで、プロレスリング・エレナの方は今後はどうなるの?たった7人が離脱しただけって云うけれど、7人共メインエベンターでしょ。

客B:美月うらら社長とカタセ四天王が抜けたのは、イタイですよね。

イコ:いえいえ、ご心配ご無用ですよ。プロレスリング・エレナには100名近いプロレスラーがいます。ソレにですね、西豪寺エレナ様がいる限り、団体は潰れません。いや、潰しませんよ。

客A:確かに、西豪寺エレナ様の一枚看板で絶対的エース体制でも充分にやってゆけそうだけどさ。大久保千秋選手や美月うらら選手みたいな好敵手がいるのかな。

客B:まだ見ぬ強豪ですか。

イコ:いますよ。但し、西豪寺エレナ様は今後はなかなか負けられない立場にはなりますね。これまでの無敵枠は大久保千秋くんでしたけれど、これからは西豪寺エレナ様です。MZGとの対抗戦の話も水面下では進めていますから、エースの西豪寺エレナ様には常勝チャンピオンでいてもらいますよ。

客A:でもさ、西豪寺エレナ様は負けても価値が下がらないのが凄いんだよね。

客B:ちょっと思い出しても、西豪寺エレナ様の名勝負は負け試合が多いんですよ。大久保千秋選手や美月うらら選手との対戦も良かったけれど、平山まどか選手との試合もね、負けブックだったのかもしれないけれど、負けた西豪寺エレナ様の強さを感じましたよ。アレがノーTVだったのは、良くないですよ。

イコ:じゃあ、KNKGP3の名勝負として、実況していない試合をリクエストでオンエアしましょうか。

客A:好いですね、その企画。

客B:宜しくお願いしますよ。

以 下、幸せのアンサー(下)につづく

DEMO 2014−10−8
MIX 2025−6−17


(小島イコ/姫川未亜)


空想格闘メタフィクション


「千秋万歳」第2部第1章 
COME AND GET IT

其の四 幸せのアンサー(下)

ANSWER !

HEY EVERYBODY 
GOT BACK !

ON 2025・7・X

SINCE 2013・11・7


DE IMAGEN NO INC. A CADA*** CON AMOR

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「雲霧仁左衛門4」第三回(再)で内山理名ちゃん

SHOGUN ゴールデンJ-POP THE BEST


時代劇専門チャンネル 4:00〜5:00

第三回「次なる将軍」

内山理名 AS 七化けのお千代

「雲霧仁左衛門4」第三回の、今年3回目の再放送です。第三回では、熊五郎に託された50両を理名ちゃんが演じるお千代姐さんが静に渡して、そのお金で静の夫は天一坊に仕官するのですが、天一坊が偽者と暴かれて静の夫は黒幕に斬られて死にます。その黒幕を分かり易い悪役演技で佐野史郎さんが演じているのですが、更なる黒幕に佐野さんも斬られて死にます。斬られた時の、佐野さんのオーバーリアクションも見どころです。

本放送:2018年9月21日(NHK BSプレミアム)

(姫川未亜)

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2025年06月16日

「ポールの道」#761「THE BEATLES BLACK VOX」
#070「REVOLVER SOME PRODUCT」

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1966年のビートルズには、逆風が吹いていました。1966年3月に、ジョン・レノンが気心が知れた英国のコラムニストのモーリン・クリーヴに話した「今はビートルズがキリストよりも人気がある」と云う発言が英国の雑誌に掲載されて、それを切り取られて米国の雑誌に掲載されました。それで、米国ではジョンがキリストを冒涜したと受け取られて、ビートルズのレコードやグッズを割ったり焼いたりする反ビートルズ運動が起きて、それをラジオでDJが扇動したりもして、今で云う「炎上」騒ぎとなったのです。そればかりか、ビートルズの殺害予告まで出て、マネジャーのブライアン・エプスタインが釈明しても騒動は収まらず、遂にはジョンが釈明会見をする事態にまで発展します。米国公演では、一部で空席が出る様にもなりました。そんな中で、1966年6月にビートルズは初来日公演を行うのですけれど、会場をロック・コンサートでは初となる武道館にした事で、右翼団体による抗議運動が起きて、ビートルズはホテルに缶詰め状態となりました。更に、その後のフィリピン公演では、大統領夫人による歓迎会をビートルズが辞退した事で国民の反感を買ってしまい、空港で包囲される事態ともなりました。そもそも30分強のパッケージ・ショーとなっていたコンサートに対してビートルズは飽き飽きしていたところに、世界各地で身の危険を感じる様な事件が立て続けに起きた為に、1966年8月29日のキャンドル・スティック・パークでのサンフランシスコ公演を最後に、ビートルズはライヴ活動を辞めてしまったのです。

ビートルズがライヴ活動を辞めたのは、前述の通り命の危機を感じていた事もありましたが、1966年4月から6月にかけてレコーディングして1966年6月10日にリリースしたシングル「PAPERBACK WRITER / RAIN」と、1966年8月5日にリリースした7作目のオリジナル・アルバム「REVOLVER」で、既にライヴ演奏を前提としていないレコーディングを敢行していた事も理由のひとつでした。弦楽八重奏だけをバックにしてビートルズは歌だけで演奏はしていない「ELEANOR RIGBY」や、逆回転ギターが使われていて通常の演奏では再現不可能な「I'M ONLY SLEEPING」や、インド楽器を大胆に導入した「LOVE YOU TO」や、効果音を多用してメンバー以外も含めた合唱がサビの「YELLOW SUBMARINE」や、ホーン・セクションを使った「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」や、テープ・ループを多用した「TOMORROW NEVER KNOWS」や、実際の演奏をスピードを落として逆回転も用いた「RAIN」等々、端からライヴ演奏する事など考えていなかった楽曲ばかりが収録されています。ポールはベースだけではなく、ギターやピアノも弾く様になりました。エンジニアが40代のベテランだったノーマン・スミスから、19歳の若造だったジェフ・エメリックに交代したのも大きくて、ビートルズ(特にジョン)が考えている音響を具現化する様になっています。つまり、自分たちよりも年下で、何でも云う事を聞くジェフ・エメリックがエンジニアになったので、ビートルズはやりたい放題となったのです。

さて、今回はそんなアルバム「REVOLVER」のレコーディング・セッションから生まれた別テイクや別ミックスを集めた、「JPGR」からのCD2枚組のアルバム「REVOLVER SOME PROJUCT」を紹介します。内容は、CD1が、1「TAXMAN」、2「ELEANOR RIGBY」、3「I'M ONLY SLEEPING」、4「LOVE YOU TO」、5「HERE, THERE AND EVERYWHERE」、6「YELLOW SUBMARINE」、7「SHE SAID, SHE SAID」、8「GOODDAY SUNSHINE」、9「AND YOUR BIRD CAN SING」、10「FOR NO ONE」、11「DOCTOR ROBERT」、12「I WANT TO TELL YOU」、13「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」、14「TOMORROW NEVER KNOWS」、15「MELLOTRON IMPROVISATION」、16「PAPERBACK WRITER」、17「RAIN」、18「ELEANOR RIGBY」、19「RAIN」、20「JESUS AFFAIR PRESS CONFERENCE」の、全20トラック入りです。1「TAXMAN」は1996年の公式盤アルバム「ANTHOLOGY 2」に収録された別テイクで、2「ELEANOR RIGBY」は2006年の公式マッシュアップ盤「LOVE」からの別ミックスで、3「I'M ONLY SLEEPING」は米国キャピトル盤のモノラル・ミックスで、4「LOVE YOU TO」は別テイクで、5「HERE, THERE AND EVERYWHERE」と6「YELLOW SUBMARINE」は1996年のシングル「REAL LOVE」にカップリングされていた別ステレオ・ミックスで、7「SHE SAID, SHE SAID」は米国キャピトル盤モノラル・ミックスです。ここまでが、レコードだとA面です。

8「GOODDAY SUNSHINE」は米国キャピトル盤モノラル・ミックスで、9「AND YOUR BIRD CAN SING」は別テイクで、10「FOR NO ONE」は映像版「ANTHOLOGY」からで、11「DOCTOR ROBERT」は別ミックスで、12「I WANT TO TELL YOU」は別ステレオ・ミックスで、13「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」は米国キャピトル盤モノラル・ミックスで、14「TOMORROW NEVER KNOWS」は公式盤「ANTHOLOGY 2」からです。ここまでが、レコードだとB面です。15「MELLOTRON IMPROVISATION」はジョンが自宅でメロトロンで遊んでいる音源で、早くも後の「REVOLUTION 9」を思わせます。16「PAPERBACK WRITER」は別テイクで、17「RAIN」は映像版「ANTHOLOGY」の別ステレオ・ミックスで、18「ELEANOR RIGBY」はポールによるデモ音源で、19「RAIN」は1988年の公式盤アルバム「PAST MASTERS」でのステレオ・ミックスです。最後の20「JESUS AFFAIR PRESS CONFERENCE」はですね、前述の「キリスト発言」のジョンによる釈明会見の音源です。時系列的にも、アルバム「REVOLVER」の頃なので、ここに入れたのでしょう。

CD2は、1「TAXMAN」、2「ELEANOR RIGBY」、3「I'M ONLY SLEEPING」、4「LOVE YOU TO」、5「HERE, THERE AND EVERYWHERE」、6「YELLOW SUBMARINE」、7「SHE SAID, SHE SAID」、8「GOODDAY SUNSHINE」、9「AND YOUR BIRD CAN SING」、10「FOR NO ONE」、11「DOCTOR ROBERT」、12「I WANT TO TELL YOU」、13「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」、14「TOMORROW NEVER KNOWS」、15「PAPERBACK WRITER」、16「RAIN」、17「HERE, THERE AND EVERYWHERE」、18「ELEANOR RIGBY / JULIA」、19「WITHIN YOU WITHOUT YOU」、20「PAPERBACK WRITER」の、全20トラック入りで、合計40トラック入りです。1「TAXMAN」はゲーム「ROCKBAND」を元にした別リミックスで、最初に普通のカウントが入っていて、レコードではポールが弾いた間奏のリード・ギターが最後にも入っていますが、それがなくて完奏しています。2「ELEANOR RIGBY」は映画「YELLOW SUBMARINE」のラフ・ミックスで、3「I'M ONLY SLEEPING」は「take 1」で、4「LOVE YOU TO」はベーシック・トラックで、5「HERE, THERE AND EVERYWHERE」は別ステレオ・ミックスで、6「YELLOW SUBMARINE」は「ROCKBAND」リミックスで、7「SHE SAID, SHE SAID」は「サイケデリック・ミックス」です。

8「GOODDAY SUNSHINE」はポールのヴォーカルを前面に出した別ミックスで、9「AND YOUR BIRD CAN SING」は別リミックスで、10「FOR NO ONE」は別ステレオ・ミックスで、11「DOCTOR ROBERT」は別テイクで、12「I WANT TO TELL YOU」は米国キャピトル盤モノラル・ミックスで、13「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」は公式盤アルバム「ANTHOLOGY 2」からで、14「TOMORROW NEVER KNOWS」はヴォイド・ミックスです。15「PAPERBACK WRITER」は公式盤アルバム「PAST MASTERS」からで、16「RAIN」は拡大版リミックスで、17「HERE, THERE AND EVERYWHERE」はモニター・ミックスで、18「ELEANOR RIGBY / JULIA」と19「WITHIN YOU WITHOUT YOU」は公式マッシュアップ盤「LOVE」からで、「WITHIN YOU WITHOUT YOU」は「TOMORROW NEVER KNOWS」のカラオケに「WITHIN YOU WITHOUT YOU」の歌を乗せたアレで、ジャイルズ・マーティンが最初にマッシュアップしたのがコレです。最後の「PAPERBACK WRITER」は日本公演からのライヴ音源で、日本の女の子も結構大きな声で声援していますけれど、海外では比較にならない程の大歓声で、ビートルズは自分たちの演奏も聴こえない状態で演奏していたらしいのです。ところが、日本では高圧的な警備もあってそこまでの大歓声とはならず、ビートルズは久しぶりに自分たちの演奏が聴こえて「コレじゃダメだ」となったのだそうです。

以上、このアルバム「REVOLVER SOME PRODUCT」は、アルバム「REVOLVER」全14曲と同時期のシングル「PAPERBACK WRITER / RAIN」の2曲を加えた全16曲の別テイクや別ミックスを、アルバムの曲順に2回並べて、ボーナス・トラックを加えた構成となっています。多くの音源は公式盤からのコピーで、ジョンの「キリスト発言」釈明会見も、確かテイチクから公式盤として発売されていたと思います。有名な米国キャピトル盤ミックスや、お馴染みの「ANTHOLOGY」での別テイクなども入れているのですけれど、例えばCD2の「RAIN」の様な、出処がよく分からない音源なども含まれているので、概ねパイレート盤と云えるでしょう。前作アルバム「RUBBER SOUL」は、全曲がラヴ・ソングで固めたトータル性がありました。このシングル「PAPERBACK WRITER / RAIN」とアルバム「REVOLVER」の計16曲では、ジョージの「TAXMAN」、ポールの「PAPERBACK WRITER」、ジョンの「DOCTOR ROBERT」と、特定の職業を題材にしていたり、ポールの「ELEANOR RIGBY」の様な個人名や、ジョンの「TOMORROW NEVER KNOWS」の様な哲学的な内容や、ジョンとポール(歌はリンゴ)の「YELLOW SUBMARINE」の様な寓話性があるものと、歌詞の内容が明らかに違ってきています。ジョンが6曲、ポールが6曲、ジョージが3曲、ジョンとポールでリンゴが歌う1曲と、パワーバランスも良く、クラウス・フォアマンによるジャケットも素晴らしい出来栄えで、近年に再評価されている名盤です。

(小島イコ)

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「雲霧仁左衛門4」第二回(再)で内山理名ちゃん

a K2C ENTERTAINMENT TOUR 2017 ~おせきはん~(初回生産限定盤)(Blu-ray Disc)


時代劇専門チャンネル 4:00〜5:00

第二回「米問屋襲撃」

内山理名 AS 七化けのお千代

「雲霧仁左衛門4」第二回の、今年3回目の再放送です。サブタイトル通りに雲霧一党が米問屋を襲撃する話ですが、初回は失敗して2度目で成功します。「雲霧仁左衛門3」からオリジナル脚本になったせいもあるのでしょうが、この辺になってくると安部式部は雲霧仁左衛門との対決を楽しんでいる様にも感じられます。安部式部を演じた國村隼さんも、立場が違っていたならば、雲霧仁左衛門とは親友になっていただろう、と発言しています。

本放送:2018年9月14日(NHK BSプレミアム)

(姫川未亜)

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2025年06月15日

「ポールの道」#760「THE BEATLES BLACK VOX」
#069「REVOLVER MATRIX 1」

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ビートルズが、1966年8月5日に英国パーロフォンからリリースした、7作目のオリジナル・アルバム「REVOLVER」は、それまでとは違っていて、当時にはライヴで再現する事が不可能な内容となっていました。1989年にリンゴ・スターが、1990年にポール・マッカートニーが、1991年にジョージ・ハリスンが、それぞれソロとしては初来日公演を行って、リンゴは「YELLOW SUBMARINE」をタコ踊りしながら歌い、ポールは「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」や「GOODDAY SUNSHINE」や「ELEANOR RIGBY」を当たり前田のゴンタ顔で演奏して、ジョージは1曲目に「I WANT TO TELL YOU」を「I WANNA TELL YOU」に変えて歌って「TAXMAN」も演奏したし、ポールは後に「PAPERBACK WRITER」も「HERE, THERE AND EVERYWHERE」も「FOR NO ONE」も普通にライヴで披露していますけれど、1966年に、このアルバム「REVOLVER」のセッションでレコーディングした曲でビートルズがライヴで演奏したのは「PAPERBACK WRITER」だけでした。サー・ジョージ・マーティンがEMIを辞めて独立して「AIR」を作り、それまではビートルズを雇ってプロデュースしていた立場から、ビートルズに雇われてプロデュースする事になり、エンジニアだったノーマン・スミスはプロデューサーに昇格となりビートルズ担当から外れて、代わりに若干19歳だったジェフ・エメリックがエンジニアとなりました。サー・ジョージ・マーティンの立場が変わった上に、何でも云う事を聞く19歳のエンジニアが誕生したので、ビートルズはやりたい放題となったのです。

マネジャーのブライアン・エプスタインは、映画やツアーに関する事しか決められず、一度レコーディングに意見をしたら、ジョン・レノンに「アンタは金の勘定だけしていろ」と云われてしまい、音楽面では何も云えなくなりました。1966年に予定したいた3作目の映画は取り止めとなり、アルバム「REVOLVER」をリリースした直後の1966年8月29日のキャンドル・スティック・パーク公演を最後にビートルズはライヴ活動を辞めてしまい、つまり、ブライアン・エプスタインにはやる事がなくなってしまいます。立場が弱くなったサー・ジョージ・マーティン、お飾り状態となったブライアン・エプスタイン、一説には無理難題を押し付けるビートルズ担当エンジニアには誰もなりたくなくて押し付けられたとまで云われている若造のジェフ・エメリック、そんな中で暴走してゆくビートルズ、と云う図式となりました。映画の撮影がなくなったので、3か月の休暇を取り、その間に曲も書いていたであろうビートルズは、1966年4月6日にスタジオ入りしました。そこで最初に取り上げられた曲が、ジョンが主導で書いたレノン=マッカートニー作の「MARK T」(「TOMORROW NEVER KNOWS」の原題)だったのですから、もうその時点でそれまでの路線とは全く違っています。ジョンは自分がイメージしているサウンドを具現化しようとして、天井から逆さまに吊って歌わせろ、とか、喉に穴をあけて回線を付けて歌わせろ、などとトンデモ要求をしたのですから、ジェフ・エメリックは「何だ、こいつは?」と戸惑ったでしょうなあ。

結局、EMIのエンジニアであるケン・タウンゼントが考案した人工的にダブル・トラックを作れる「ADT」を使い、更にレズリー・スピーカーを通してヴォーカルをレコーディングする事となり、ポールが中心となって自宅で作ったテープ・ループなども用いて、摩訶不思議なサウンドを作り上げたのです。この曲に限らず、アルバム「REVOLVER」と同セッションからのシングル「PAPERBACK WRITER / RAIN」では、リンゴのドラムスがスゴイ事になっています。タイトルとなった「TOMORROW NEVER KNOWS」もリンゴが云った英文法を無視した言葉なので、リンゴは「明るく楽しい」だけではないのです。この「TOMORROW NEVER KNOWS」は、モノラル・ミックス「8」が完成形なのですが、英国初回モノラル盤に間違ってモノラル・ミックス「11」が使われてしまい、それが入っているモノラル盤はレア盤になりました。今回紹介するのは、2018年に「MOONCHILD RECORDS」からリリースされたCD2枚組のアルバム「REVOLVER MATRIX 1」です。このアルバムは、2枚共に公式盤からのコピー音源なので、ブートレグと云うよりもパイレート盤です。内容は、CD1が、1「TAXMAN」、2「ELEANOR RIGBY」、3「I'M ONLY SLEEPING」、4「LOVE YOU TO」、5「HERE, THERE AND EVERYWHERE」、6「YELLOW SUBMARINE」、7「SHE SAID, SHE SAID」、8「GOODDAY SUNSHINE」、9「AND YOUR BIRD CAN SING」、10「FOR NO ONE」、11「DOCTOR ROBERT」、12「I WANT TO TELL YOU」、13「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」、14「TOMORROW NEVER KNOWS」の、全14曲入りです。

このCD1は、アルバム「REVOLVER」の英国初回モノラル盤のコピーです。アルバム「REVOLVER」のオリジナル・モノラル・ミックスは、2009年の箱「THE BEATLES IN MONO」や、2022年の箱「REVOLVER」でCD化されていて、箱「REVOLVER」には「モノラル・ミックス11」も収録されていますが、アルバムを通して初回モノラル盤を聴ける様になっています。盤起こし音源なのでしょうけれど、スクラッチ・ノイズなどは全く聴こえない丁寧なリマスターが行われているみたいです。CD2も、1「TAXMAN」、2「ELEANOR RIGBY」、3「I'M ONLY SLEEPING」、4「LOVE YOU TO」、5「HERE, THERE AND EVERYWHERE」、6「YELLOW SUBMARINE」、7「SHE SAID, SHE SAID」、8「GOODDAY SUNSHINE」、9「AND YOUR BIRD CAN SING」、10「FOR NO ONE」、11「DOCTOR ROBERT」、12「I WANT TO TELL YOU」、13「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」、14「TOMORROW NEVER KNOWS」の、全14曲入りです。こちらは英国オリジナル・ステレオ・ミックスで、モービル・フィデリティのカセットテープからのコピーとなっております。MFSLのハーフ・スピード・カッティング盤と云えばアナログ盤が普通ですけれど、コレはカセットテープがソースです。CD1もCD2も音質は良好で、オリジナル仕様に拘ったのか両方共にボーナス・トラックは入っていませんが、CD2枚組で新品が税込み千円なので、文句は云えませんなあ。

(小島イコ)

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2025年06月14日

「ポールの道」#759「THE BEATLES BLACK VOX」
#068「REVOLVING」

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ビートルズの英国オリジナル・アルバムは1987年に初CD化されましたが、2009年にリマスターされるまで20年以上もそのままでした。それが、2015年にベスト・アルバム「1」がリミックスされたのを皮切りに、2017年の箱「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」からリミックス盤がリリースされる様になったのです。2015年の「1」と「1+」は、ビートルズのプロモーション・フィルムが初めて公式盤でまとまってリリースされた事に注目が集まりましたけれど、ジャイルズ・マーティンによるリミックスはその時から始まっています。アルバムのリミックスは、2017年の箱「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」、2018年の箱「THE BEATLES(ホワイト・アルバム)」、2019年の箱「ABBEY ROAD」、2020年はコロナ禍で中断、2021年の箱「LET IT BE」と、50周年に合わせてリリースされて、2022年には箱「REVOLVER」へと逆行して、2023年にはベスト・アルバム「THE BEATLES 1962-1966(赤盤)」と「THE BEATLES 1967-1970(青盤)」の50周年新装拡大盤とつづいています。ちなみに、2024年は米国キャピトル編集アルバムのLP7作8枚組のモノラル盤の箱で、アナログ盤のみでCDではリリースされていません。リミックス盤の箱に関しては、流石に最初の箱「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」や次の箱「THE BEATLES(ホワイト・アルバム)」辺りは充実していたのですけれど、その後はダンダンダンと内容が薄くなっていて、2022年の箱「REVOLVER」は、なかなか困ったちゃんになっています。

公式盤の箱「REVOLVER」はCD5枚組ですけれど、1枚目は全14曲入りのステレオ・リミックスで、2枚目と3枚目はセッション音源全31曲入りで、4枚目が全14曲入りのオリジナル・モノラル・ミックスで、5枚目は全4曲入りのEP扱いなのです。アナログ盤のフォーマットを意識した様な構成で、CDならば2枚か3枚位に収まってしまう収録時間ですし、それまでは入っていたブルーレイがなくて、ハイレゾ音源や5.1サラウンドは配信で別売りしています。そう云う中途半端な事を公式盤がやらかしているので、パイレート盤やブートレグはなくならないのです。さて、今回は「SECRET TRAX」からのCD2枚組のアルバム「REVOLVING」を紹介します。2000年頃の公式音源を元にしたアルバムでは、やはり押さえておきたいのが、前回に紹介した「SWEET ZAPPLE」と今回の「SECRET TRAX」の二つのレーベルから出ているシリーズです。簡潔に説明すると、「SWEET ZAPPLE」からの音源集は公式盤での別ミックスを重箱の隅を楊枝でほじくる様にかき集めていて、パイレート盤的な方向性なのですけれど、「SECRET TRAX」の方はレコーディング・セッション音源をあるだけ収録していて、よりブートレグ的な性質にはなってはいます。それでも「SECRET TRAX」の方も重要な別ミックスは収録していて、英文の詳細な解説が付いているのは良い点です。選曲は似てはいるものの、その方向性が違っているので、そこは両方共に必聴盤ですし、ビートルズがレコーディング・セッションにより力を入れる様になったアルバム「REVOLVER」以降は、両レーベルの内容もかなり違ったものになっています。

アルバム「REVOLVING」の内容は、CD1が、1〜4「HE SAID, HE SAID」、5〜7「SHE SAID, SHE SAID」、8「TOMORROW NEVER KNOWS」、9〜10「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」、11〜12「PAPERBACK WRITER」、13〜14「AND YOUR BIRD CAN SING」、15「TAXMAN」、16「ELEANOR RIGBY」、17〜18「I'M ONLY SLEEPING」、19〜22「FOR NO ONE」、23「YELLOW SUBMARINE」、24〜25「HERE, THERE AND EVERYWHERE」、26〜29「FOR NO ONE」、30〜33「HERE, THERE AND EVERYWHERE」の、全33テイク入りです。1〜7は、ジョンのギター弾き語りデモ音源で、元々はLSDでラリッた俳優のピーター・フォンダの発言から出来た曲だったので、最初は「HE SAID, HE SAID」で、後で「SHE SAID, SHE SAID」に変更しています。8「TOMORROW NEVER KNOWS」から、25「HERE, THERE AND EVERYWHERE」まではレコーディング・セッション音源で、多くの別テイクが聴けますけれど、1996年の公式盤アルバム「ANTHOLOGY 2」やシングル「REAL LOVE」に収録されているテイクも入っています。アルバム「REVOLVER」とシングル「PAPERBACK WRITER / RAIN」のレコーディング・セッション音源は、現在では前述の2022年の箱「REVOLVER」でより多くの別テイクが聴ける様になってはいますけれど、未だにブートレグでしか聴けない音源もあります。26「FOR NO ONE」から、33「HERE, THERE AND EVERYWHERE」までの様な「モニター・ミックス」は、公式盤では聴けません。

CD2は、1「TAXMAN」、2「ELEANOR RIGBY」、3「I'M ONLY SLEEPING」、4「LOVE YOU TO」、5「HERE, THERE AND EVERYWHERE」、6「YELLOW SUBMARINE」、7「SHE SAID, SHE SAID」、8「GOODDAY SUNSHINE」、9「AND YOUR BIRD CAN SING」、10「FOR NO ONE」、11「DOCTOR ROBERT」、12「I WANT TO TELL YOU」、13「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」、14「TOMORROW NEVER KNOWS」、15「PAPERBACK WRITER」、16「RAIN」、17「I'M ONLY SLEEPING」、18「AND YOUR BIRD CAN SING」、19「DOCTOR ROBERT」、20「TOMORROW NEVER KNOWS」、21「PAPERBACK WRITER」、22「I'M ONLY SLEEPING」、23「DOCTOR ROBERT」の、全23テイク入りで、合計56テイク入りです。1〜14は、英国オリジナル・モノラル・ミックスで、1987年のCDではステレオ・ミックスが採用されたので、モノラル・ミックスはレア音源化していました。現在では2009年の箱「THE BEATLES IN MONO」や、2022年の箱「REVOLVER」で聴く事が出来ます。15「PAPERBACK WRITER」と、16「RAIN」はオリジナル・モノラル・ミックスで、シングルCDや箱「REVOLVER」でも聴けます。17「I'M ONLY SLEEPING」と、18「AND YOUR BIRD CAN SING」と、19「DOCTOR ROBERT」の3曲は、米国キャピトル編集アルバム「YESTERDAY AND TODAY」に先出しされた別モノラル・ミックスです。20「TOMORROW NEVER KNOWS」は、英国パーロフォン初回モノラル盤に収録されてしまった別モノラル・ミックスです。コレは、箱「REVOLVER」にも収録されました。

21「PAPERBACK WRITER」は1970年の米国キャピトル編集アルバム「HEY JUDE」での別ステレオ・ミックスで、22「I'M ONLY SLEEPING」と、23「DOCTOR ROBERT」は、米国キャピトル編集アルバム「YESTERDAY AND TODAY」で差し替えられた別ステレオ・ミックスです。CD2は全てが公式盤からのコピーなので、完全なるパイレート盤です。アルバム「REVOLVER」は、レノン=マッカートニー作が11曲で、ジョージ・ハリスン作が3曲となっていますが、1「TAXMAN」ジョージ、2「ELEANOR RIGBY」ポール、3「I'M ONLY SLEEPING」ジョン、4「LOVE YOU TO」ジョージ、5「HERE, THERE AND EVERYWHERE」ポール、6「YELLOW SUBMARINE」ジョン&ポール(歌はリンゴ)、7「SHE SAID, SHE SAID」ジョン、8「GOODDAY SUNSHINE」ポール、9「AND YOUR BIRD CAN SING」ジョン、10「FOR NO ONE」ポール、11「DOCTOR ROBERT」ジョン、12「I WANT TO TELL YOU」ジョージ、13「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」ポール、14「TOMORROW NEVER KNOWS」ジョンと、レノン=マッカートニー作でも、ほとんどがジョンかポールのどちらかが主導した楽曲で構成されていて、それらを交互に並べています。ジョージの曲を抜いても、ジョンとポールの曲はつづかないのです。シングルの「PAPERBACK WRITER」はポールで、「RAIN」はジョンです。サー・ジョージ・マーティンが1965年でEMIを辞めて独立してビートルズに雇われてプロデュースする様になり、前任のエンジニアだったノーマン・スミスが出世してプロデューサーになりビートルズの担当から外れたので、まだ19歳だったジェフ・エメリックが新たなエンジニアになりました。つまり、ビートルズの暴走を止める人がいなくなったのです。

(小島イコ)

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「十万分の一の偶然」(再)で内山理名ちゃん



テレ朝チャンネル2 19:00〜21:00

内山理名 AS 布川麻奈美

「十万分の一の偶然」の、今年初めての再放送です。昨年(2024年)だけで6回も再放送されていて、これと「黒の斜面」などの「2時間ドラマ」は、1年中再放送されています。今は亡き田村正和さんが主人公のルポライターを演じて、冒頭で中谷美紀さんが演じた娘が交通事故で死んでしまいます。その事故現場を偶然に撮影し賞を取った高嶋政伸さんが演じたカメラマンに主人公は疑念を抱き、身分を偽って接近して追い詰めてゆきます。理名ちゃんが演じた麻奈美は、事故の唯一の生存者で目撃者でもある人物が入院した病院の看護師ですが、実はカメラマンの愛人で共犯者でもあり、目撃者も殺されてしまいます。果たして、主人公は娘の死の謎を解明できるのか、と云った内容です。主人公の娘の少女時代を、当時12歳だった久保田紗友ちゃんが演じているのも見どころのひとつです。成長した娘役の中谷美紀さんは、那奈ちゃんの3代目につづく、4代目「きれいなおねえさん」です。

本放送:2012年12月15日(テレビ朝日)

(姫川未亜/小島イコ)

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「NO IMAGE」


here is

mia/iko presents

「the diary of nana katase」

A/K/A/ 「COPY CONTROL」


Recording Produced by IKO KOJIMA

Engineer : MIA HIMEKAWA

All voices & instruments : MW-777
(MIA/IKO/TACO/LUNA)

All Songs arranged , written and compoced by

009:栗

(A/K/A/ mia/iko) except where indicated.


with a big help from

001:ANTETSU (from NANAchan OGAMITAI of NO IMAGE),
002:USHIO (from SHiNY ☆ BRADBURYS of NO IMAGE),
008:HITO-WOLF (from MEI-KYO-SHI-SUI),
& 100 = TACO (from Queen of NO IMAGE),


055:PIN (from NEW of NO IMAGE)&
033:KIRI (from SISTER of NO IMAGE),
・・・with their family・・・,


101:NANAMI NARUMI (from LITTLE SISTERS of NO IMAGE),
051:LUNA NARUMI (from LITTLE SISTERS of NO IMAGE),
0101010・・・,& so on:KOYUKI SISTERS #0-#2 with TVC-15,
& 「KOYUKI #3-#5」with TVC15-2!!,
m-G4-MIMI & W-7,W-10-nanaco#1-#3,

ukulele-MIDORI #1-#3 (from LITTLE SISTERS of NO IMAGE),
070 & 077:NEO FLOWER GIRLS (from &'S LITTLE SISTERS of NO IMAGE),
396:pirozhki (from MARQUEE MOON),
099;mayaya

R-157:rina-chan

000:mamma-mia A+C ! &

007:nana-chan


& EVERY***

AND ・・・「∞:my MOTHER = MIAMIA/IKO-CHAN !」



ALL FOR NANA KATASE from the bottom of my heart.

since 2004-8-8

(C) NO IMAGE INC. with LOVE ☆



YES, we're just only the " NANA chan's FAN " .

since 1981-11-7